近年はインターネットやスマートフォンの普及におり、ネットがいじめ増加しています。なかにはネットいじめが原因で自殺した子どももおり、非常に深刻な問題になりつつあります。
この記事ではネットいじめとは何か、最新の事例をふまえつつどのように対処していけばよいのかをわかりやすく解説します。
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ネットいじめとは
スマートフォンやSNSの普及により、インターネットを使ったいじめが増えてきました。平成26年のネットいじめの件数は7,898件だったのに対し、わずか5年で17,924件まで膨れ上がっています。
【参考】文部科学省
最近は新型コロナウイルスの影響で子ども同士の直接の触れ合いが減ってきたため、より一層ネットいじめのリスクが高まっているといえます。
ではネットいじめとはどのよう事例があるのでしょうか。
ネットいじめの事例
ここからは、ネットいじめの事例について紹介します。
SNSを使った誹謗中層
ネットいじめの代表的な例が、SNSを使った誹謗中傷です。
SNS上で「死ね」「キモイ」といったことを書き込む直接的ないじめもあれば、特定の人だけが見られる空間でこっそり誹謗中傷をするケースもあります。
また、自分がSNSに投稿した内容について晒上げや批判的な書き込みをするといった事例もネットいじめの代表的な例といえるでしょう。
知人へのなりすまし
他人になりすましたSNSアカウントを作り、本人のふりをして好き勝手に投稿するいじめもあります。
自分のなりすましがいること自体に不快に感じるのはもちろんですが、それだけでなく自分の気持ちとはまったく関係ない内容が投稿されることにより、炎上したり周りから誤解をもたれ孤立したりしてしまうことも問題です。
なりすましは被害者と近い人物がしているケースが多く、ケンカやちょっとしたトラブルが原因で起こってしまいます。
いじめの様子を動画で撮影し投稿する
いじめの様子をネット状で拡散されてしまうケースもあります。
友人同士のコミュニティ内でのみ共有したつもりが、転載や口コミなどによって友人以外にも拡散してしまい、いじめられている本人や周りの人の目にも入ってしまう、といった事態が起きがちです。
不特定多数の人が見ている場でいじめの様子がさらされてしますのは、非常に大きな精神的ダメージを負いかねません。
いじめの被害者はただでさえいじめで心が疲弊してしまっているので、周りの目が気になって外に出られなくなったり、ふさぎ込んでしまったりすることもありえるでしょう。
ネットいじめを受けている子どもの兆候は?
ネットいじめに限らず、いじめを受けている子どもはなかなか自分から打ち明けようとはしません。そのため、子どもからの危険信号を受け取り親が気づいてあげるのがよいでしょう。
ネットいじめにあっている子どもには次のような兆候が見られる傾向があります。
【ネットいじめにあっている子どもの特徴】
- 気分が落ち込んでいる
- 学校の話をしようとしない
- 電話に出たがらない
- 常にSNSをチェックしている
- 一人でいることが多い
- 部屋にこもりがちになる
もちろんこれかに該当するからといって必ずしもネットいじめを受けているとは限りません。ただ、以前と明らかに様子が変わったところがあれば、子どもに声をかけてみるとよいでしょう。
ネットいじめって警察に相談できる?
残念ながら基本的に警察が動いてくれるケースは少ないと思っておいたほうがよいでしょう。民事不介入という言葉があり、警察は民事トラブルに関与してくれません。
ただし犯罪や事件としての危険性が高まった場合は、警察が協力してくれる可能性もあります。まずはいじめの状況から、警察に相談すべきかどうか整理してみるとよいでしょう。
ネットいじめに巻き込まれたときはどうすべき?
ネットいじめで警察の力を借りられるケースは稀です。ではネットいじめはどのように解決すればよいのでしょうか。ここではネットいじめへの対処法を解説します。
相手がわかっている場合
ネットいじめの相手がわかっている場合には、以下のような対処を検討しましょう。
学校に相談する
まずは学校に連絡・相談しましょう。この際、いじめの証拠となるスクリーンショットや病院での診断書などを用意しておくことが重要です。
また、事の重大さを認識してもらうため、担任の先生だけでなく校長先生も巻き込んで相談するのがよいでしょう。
学校の対応に満足できないなら弁護士に相談する
もし学校の対応に満足できなかった場合は、弁護士に相談するのがよいでしょう。弁護日費用は決して安くはありませんが、専門的な知識のある弁護士に依頼したほうが手続きもスムーズで精神的な安心感も得やすいですよ。
いじめ加害者や親に直接交渉しても、納得のいく解決に至る可能性は低めで、場合によっては無視されてしまうことも考えられます。
ただ仮に弁護士が出てくるとなると、加害者側もいじめに対して無視はできません。内容証明郵便を送ってもらい、加害者側に事の重大を理解してもらうという方法もとれるようになります。
トラブルに巻き込まれているときは冷静になることが難しく、交渉をうまく進められないこともあります。こういった面からも「加害者と真っ向から闘いたい」と考えているなら弁護士に依頼するのがよいでしょう。
相手がわからない場合
ネット上でいじめをしている加害者がわからない場合も、弁護士に相談するのがおすすめです。
SNS上のコメントや投稿の削除や、発信者の特定といった業務を請け負ってくれます。2022年10月に改正になった改正プロバイダ責任制限法によって、発信者情報の開示請求が以前よりもスムーズにおこなえるようになりました。そのため、以前よりも手間や時間を理由に泣き寝入りする懸念は少なくなってきているといえます。
こういった制度の恩恵を受けるためにも、専門的な知識のある弁護士に依頼してしっかりと手続きを進めてもらうのがよいといえるでしょう。
ネットいじめで慰謝料請求はできる?
ネットいじめを受けた場合、慰謝料の請求が認められるケースもあります。実際に、いじめ加害者に対して慰謝料の請求が認められたことがありました。被害者が負った精神的な苦痛や生じた損害に応じて支払いの可否・額が決定します。
この場合、請求先として考えられるのは加害者(親を含む)と学校です。
いじめをした張本人に対しては不法行為に基づく損害賠償をすることになります。学校に対しては、子どもが安全に暮らせるようとるべき安全配慮義務に違反した場合に、損害賠償を請求することになります。
事例によってどのように対応すべきか異なるため、弁護士に相談して決めるのがよいでしょう。
ネットいじめは誰にでも起こりえる身近な問題
学校の授業でタブレットを使ったりプログラミングを学んだりと、幼いうちからネットに触れる機会が増えてきています。
以前にくらべ、小学生のうちからスマートフォンを持つことも一般的になってきました。
「自分はまだネットいじめは関係ない」と考えている人は多いですが、ネットいじめは誰にとっても身近な問題といえます。
今のうちから正しいネットリテラシーを身につけさせたり、トラブルに巻き込まれないようないような教育をしたり、日頃から一人ひとりが当事者意識をもって生活することが重要といえるでしょう。
また、ネットいじめに対して事前に備えておくのも選択肢の一つです。
たとえば、弁護士保険は万が一の際に、弁護士費用の負担を軽くしたり、弁護士探しの手間を減らしたりすることが可能です。
月額数千円で加入できるものも多いので、これから小学校や中学校にあがる子どもがいる方は、加入を検討してみましょう。
法律トラブルが発生した際、状況によっては高額な弁護士費用が必要になることもありますが、事前にベンナビ弁護士保険に加入しておけば弁護士費用の負担を軽減できます。
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※1 2021年6月時点
※2 年間の保険料35,400円を365日で割った金額
まとめ
とくに不特定多数の人が見ている場で誹謗中傷やいじめを受けるのは、非常に精神的苦痛を感じることでしょう。過去にはSNS上での書き込みが原因で、女子高生が自殺をした事件もありました。
このような事態を避けるためにも、まずはいじめに向き合い、弁護士に相談して適切に処理することが重要といえます。
もし高額な弁護士費用を払える余裕がないなら、分割払いのできる法テラスや弁護士事務所を頼るとよいでしょう。
将来こういったトラブルが起きたときのために今のうちから何か準備しておきたいという方は、弁護士費用を補償してくれる弁護士保険に加入するのもおすすめです。
いじめで泣き寝入りせずに済むよう、今できることをきちんと整理して実行していくことが重要です。
法律トラブルが発生した際、状況によっては高額な弁護士費用が必要になることもありますが、事前にベンナビ弁護士保険に加入しておけば弁護士費用の負担を軽減できます。
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