子供がいじめられたらどう対応すればいい?学校のいじめ問題の現状といじめに対する解決策

学校のいじめ問題の現状といじめに対する解決策

子どもたちの間で起きる「いじめ」は、被害者の心身を深く傷つけてしまうだけでなく、学校へ通えなくなってしまう、転校を余儀なくされる、自ら生命を絶ってしまうなど、将来をも踏みにじる悪質な行為です。

少し時代をさかのぼれば「いじめは子どもの問題」「大人が介入する問題ではない」といった風潮がありました。

いじめを「子どもの問題」として周囲の大人が子どもの発するSOSを相手にせず、悲しい結果を招いてきたため、いじめに対する考え方や定義は時代とともに変遷しています。

このコラムでは「いじめ」の定義や小・中・高校におけるいじめの現状、いじめが引き起こすさまざまな弊害やいじめを解決するための対策を解説しましょう。

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文部科学省の調査結果によると、平成30年度の小・中・高校および特別支援学校におけるいじめの認知件数は543,933件で、前年度より131%も増加傾向にありました。

親の知らない間にいじめは進行し、いじめが原因で子供がうつ病や不登校、PTSD、最悪の場合自死を選択してしまう可能性もあります。

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学校におけるいじめの定義について

一般的に「いじめ」とは、立場の強い者が弱い者に対して暴力や嫌がらせなどを加えることだと理解されています。

しかし、実際のいじめの現場では「遊びでやっているだけだ」などと主張し、学校側も「友人同士のいさかいであっていじめではない」と事実を認めないケースは少なくありません。

「いじめとは」という定義については、これまでにも国が専門家を交えて協議をかさねてきた歴史があります。

ここで挙げるのは、いじめの定義の変遷です。

昭和61年 ✓ 自分より弱い者に対して一方的に身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもので、学校の内外を問わない
✓ 学校として関係児童生徒・いじめの内容などを確認したものに限る
※学校が認定しない限りはいじめではない
平成6年 ✓ 自分より弱い者に対して一方的に身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもので、学校の内外を問わない
✓ いじめに当たるかの判断は表面的・形式的におこなうことなく、いじめられた児童生徒の立場に立っておこなう
※被害者が「いじめられた」と感じれば学校の認定は不要
平成18年 ✓ 一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもので、学校の内外を問わない
✓ いじめに当たるかの判断は表面的・形式的におこなうことなく、いじめられた児童生徒の立場に立っておこなう
※一方的・継続的・深刻といった程度を問わない
平成25年 ✓ 同じ学校に在籍する一定の人間関係にある者による心理的・物理的な影響を与える行為であって、被害者が心身の苦痛を感じているもので、学校の内外を問わない
✓ 心理的・物理的な影響を与える行為には、インターネットを通じておこなわれるものも含む
※いじめ防止対策推進法第2条によって法的に定義された

日本の小・中・高校におけるいじめの現状とは

文部科学省は、定期的にいじめに関する調査を実施しています。

平成30年度の調査では、いじめの認知件数や重大な被害が発生したケースが増大している状況が明らかになりました。

学年別いじめの発生件数と自殺者の推移

小・中・高校におけるいじめは、子どもの成長が進むにつれて減少する傾向があります。

学年別のいじめの発生件数を見てみましょう。

学年別いじめの認知件数

【引用】平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要|文部科学省

学年別のいじめの発生件数をみると、とくに小学2年生・3年生におけるいじめが目立ちます。

過去3年における伸び率も著しく、低学年・中学年の間ではいじめが横行しているという状況がうかがえるでしょう。

子どもの成長に伴っていじめの認知件数は減少しますが、中学生・高校生になったからといって安心できるわけではありません。

この調査では、さらにいじめに関係した自殺の状況も調査しています。

小・中・高校から報告のあった平成30年度中の生徒児童の自殺者数は332人でした。

うち、いじめが関係していたと認められるものは小学校では0人、中学校では3人、高校では6人となっており、子どもの成長に伴って自殺者数が増えているのです。

いじめの種類と種類別状況

小・中・高校におけるいじめの大部分を占めるのは、ひやかし・悪口などの口頭によるものです。

いじめの態様別状況

【引用】平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要|文部科学省

全年代でひやかし・からかい・悪口・脅し文句などが突出して多く、次いで軽くぶつかる・遊ぶふりをして叩いたり蹴ったりするといった軽度の暴行が多くなっています。

とくに注目すべきは、パソコン・携帯電話などによる誹謗中傷です。

SNSが広く浸透している現代では、いじめの場がリアルな学校生活からSNSなどのインターネットの場へと移っています。

高校でのいじめはインターネットが中心で、仲間はずれにするなどほかの態様のいじめにもつながっている傾向があります。

いじめが起こる原因とは

いじめが起こる原因はひとつではありません。

加害者・被害者の性格や環境はもちろんですが、いじめをはやし立てる観衆や「巻き込まれたくない」と見て見ぬふりをする傍観者の存在も、いじめを加速させる原因となるでしょう。

インターネットの発展がいじめの原因になっていると考える意見もあります。

ひと昔前までは「いじめられるほうにも理由がある」といった理屈でいじめが肯定されてしまうこともありました。

被害者本人がおとなしい性格であったり、周囲の子ども以上に目立ちたがり屋だったりすると「そんな性格だからいじめられる」と片付けられてしまっていたのです。

家庭・学校・社会においてなんらかの問題があったとしても、いじめは肯定されるべきものではありません。

精神的に未熟な子どもたちだけでは解決できないケースは多いので、学校・親が中心となって解決に取り組む必要があるのです。

いじめが残す子供への後遺症と将来への影響

いじめを受けた子どもが背負うのは、その時々に感じる悲しい・つらいといった気持ちだけではありません。

いじめが解消したあとでも、さまざまな後遺症や将来への悪影響を負うことになります。

「PTSD」「うつ病」「パニック障害」を引き起こす可能性

いじめは被害者の精神を蝕みます。

長期的にいじめ被害にさらされてしまうと、子どもといえども強いストレスに耐えられずさまざまな精神障害を発症してしまうのです。

【PTSD(心的外傷後ストレス障害)】

事件や事故などの強烈な精神ダメージやいじめのように反復継続した精神ダメージを受けることで、フラッシュバックなどを引き起こし不安・自己嫌悪・自己否定をしてしまう症状です。

【うつ病】

気分が強く落ち込んで憂鬱になる、やる気がでないといった症状のほか、不眠・疲労感・倦怠感が発症します。

【パニック障害】

動悸・吐き気・めまいなどの症状に襲われる精神障害のひとつで、発作的に発症することから診断・治療が難しい病気です。

いじめが原因で不登校・引きこもりになり、抜け出せずニートへ

いじめを受けたことで「学校に行きたくない」「学校に行くといじめられる」と感じて不登校になってしまう子どもも存在します。

平成30年の調査では、小・中学校における164,528人の不登校児童・生徒のうち、小学校で359人、中学校で678人がいじめを原因としていることがわかりました。

不登校になってしまうと、自室に引きこもってしまい、家族との交流も持ちたがらなくなってしまう子どもも少なくありません。

いじめが解消できないままだと、引きこもりが続いて進学・就職もできず、いわゆるニートになってしまうおそれもあります。

学校や教育委員会は頼りにできる?いじめに対する対策と取り組み

いじめの多くは学校生活のなかで発生します。

親としては、学校や教育委員会の対策・取り組みによって解決を期待したいところでしょう。

学校・教育委員会はいじめについてどのような対策や取り組みをおこなっているのでしょうか?

実効性のある指導体制の確立

いじめを解消・予防するためには学校内の体制づくりが欠かせません。

いじめを認知した学級担任がひとりで抱え込むのではなく、生徒指導主事・教頭・校長が事態を把握できる指導体制の確立に取り組んでいます。

また、校内研修・カウンセリング演習なども積極的におこなわれています。

生徒への適切な教育指導

いじめは子どもたちの間で起きる問題であり、児童・生徒への指導は欠かせません。

いじめ行為にいたった加害児童・生徒への指導はもちろん、学級運営の機会を通じてすべての児童・生徒への指導がおこなわれています。

いじめの早期発見・対応

いじめを解決するためには、問題兆候を素早く把握したうえで、事実関係の究明は必須です。

日ごろから児童・生徒に対して全人格的に接するよう教師に指導する、いじめを把握した際は教育委員会を含めて必要に応じて関係機関と協力を図るといった取り組みがおこなわれています。

また、いじめの兆候をキャッチした際は、被害者からの訴えが弱いことを理由に問題を軽視する、当事者同士の主張に隔たりがあるなどを理由に必要な対応を欠くことがないよう指示が徹底されています。

被害者へのケアと弾力的な対応

教育相談の機会を通じて被害者を心理的にケアする対応はもちろん、グループ替えや座席替え、学級替えによっていじめを継続させない、弾力的に緊急避難としての欠席を認めるといった対策も講じられています。

家庭や地域社会との連携

「いじめは学校の問題」と固執するのではなく、保護者にもいじめの事実を報告し、また保護者からの訴えを受けた場合には真摯に取り組む姿勢も欠かせません。

学校・保護者・地域の代表が意見を交換できる場を設けて連携を強化するほか、正確な情報発信によって保護者・地域住民の信頼の確保を目指しています。

いじめ問題に関する取り組み事例

いじめ問題に関する取り組みとしては、おもに「いじめの早期発見」と「いじめ発見時の対応」に大別されるでしょう。

実際の事例をみていくと、次のような取り組みが挙げられます。

いじめの早期発見 ✓ 校内におけるいじめ問題対策委員会の設置
✓ 全校児童生徒対象のアンケート実施
✓ 「1日観察日」による深い観察
✓ 空き教室を活用した相談室の充実
✓ 校長室を解放した「ふれあいの場」の開設
✓ 保護者による観察チェックカードの提出
いじめ発見時の対応 ✓ 学校・教育委員会による加害者の出席停止措置 ✓ SNSにおける誹謗中傷に対する学校からの削除請求 ✓ 親を交えた加害者に対する厳重説諭

いじめられた場合の対処法や解決手順

子どもがいじめられていることが発覚したら、親としてどのように対処して解決を図るべきなのでしょうか?

まず最初に親は絶対に味方だと伝えよう

いじめ被害に遭った子どもは、仲が良かったはずの友だちやクラスメイトに裏切られ、教師も助けてくれず、強い孤独を感じています。

まずは「私はどんなときでもあなたの味方だ」と伝えてあげましょう。

いじめられている事実が親に発覚して怒られてしまったり失望されてしまったりすることを怖れている子どもにとって、親の「味方だ」という宣言は非常に心強いものなのです。

子供がいじめられた内容を文章化する

子どもが受けたいじめについて、いつ、どこで、誰に、どのような行為を受けたのかを文章化しましょう。

いじめの定義に照らして「いじめである」と認定できるのか否かを判断する重要な情報になると同時に、加害者・学校を相手に話し合いを進めていくうえで有効な資料となります。

いじめを受けてきた子どもは、加害者や教師の前では萎縮しがちです。

話し合いなどの場を設けても、どのようないじめがあったのかを上手く説明できないケースも少なくないので、文章化はとても大切なプロセスだといえます。

学校に相談する|相談したやり取りも記録する

いじめトラブルの解決を図る主体は学校です。

子どもがいじめられていることが確認できたら、ただちに学校に相談しましょう。

ただし、ただ感情的になって言いたいことばかりを強く述べていると、学校側は「親からのクレーム」と捉えてしまい、クレームを処理するための対策に尽くしてしまいます。

本来の目的はあくまでも「いじめの解決」であるため、いじめトラブルの解決を促すための相談であるという姿勢を保持しましょう。

また、相談の際は前もって文章化しておいたいじめの概要を担当教師だけでなく学校長宛てにも送付しておくことをおすすめします。

担当者の段階で報告がストップするのを防ぐための対策として非常に有効です。

加害者からの謝罪と再発防止策の要望をする

いじめを根本的に解決するには、加害者の内省を促す必要があります。

自分がしたことを正しく認識し、被害者をどれだけ傷つけたのかを知るためには謝罪の機会が欠かせません。

また、いじめの再発を防止するのは学校の責務でもあります。

再発防止対策の徹底を尽くすことを文書として要望したうえで、どのような対策を講じたのかを文書で回答してもらうようにしましょう。

加害者や学校とトラブルになったら弁護士に相談する

実際にいじめがあったにもかかわらず、加害者や学校側が「いじめではなかった」「いじめは存在しなかった」という主張を譲らないケースもあります。

学校への相談でも解決できなかった場合は法律問題に詳しい弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。

いじめの内容が刑罰法令に触れる場合は警察への相談・届出のサポートが得られます。

加害者や学校に損害賠償を求めるには裁判を起こす必要があるため、やはり弁護士のサポートは必須です。

最後に|いじめ被害者と加害者に対するケアが必要

いじめはどのような理由があっても決して肯定されるべきではありません。

親・学校が連携し、加害者は反省を、学校は調査と再発防止対策の徹底を尽くさなくてはなりません。

大切なのはいじめトラブルが解決したあとの生活です。

被害者は心に深い傷を負ってしまっているので、PTSDなどの精神障害を発症するおそれがあります。

不登校や自殺といった深刻な事態に発展しないよう、回復をサポートしなくてはなりません。

加害者も、実は学校生活や家庭において強いストレスを受けていることでいじめを惹起している可能性があります。

ただ叱りつけるだけでなく、なぜいじめをしたのか、他者を攻撃するほどに心を傷つけてしまった原因はどこにあるのかなどを心理的に分析しなくてはなりません。

いじめは、被害者・加害者の両方に心の傷を負わせます。

被害者・加害者のどちらもがカウンセリングを受けてお互いが心の傷を癒やすことができれば、いじめの根本的な解決につながるでしょう。

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