グーグル(Google)の口コミで名誉毀損を受けたら、速やかに口コミの削除を請求し、さらに投稿者に対する損害賠償請求を行いましょう。
Googleアカウントは匿名のケースが大半ですが、発信者情報開示請求によりアカウント保有者を特定できる場合があります。基本的には裁判所への申立てを要するため、信頼できる弁護士への相談をおすすめします。
今回は、グーグルの口コミで名誉毀損を受けた場合の対処法・手続き・弁護士費用などを解説します。
グーグルの口コミで名誉棄損されてしまったけど、どう対応すればいいんだろう...と悩んでいませんか?
結論から言うと、口コミで名誉棄損された場合は口コミの削除を求め、投稿者に損害賠償請求ができます。
削除や損害賠償請求には法的な視点が必要となることが多いので、弁護士への相談・依頼をおすすめします。
弁護士に相談・依頼すると、以下のようなメリットを得ることができます。
- 加害者に対する責任追及の方法や手続きがわかる
- 名誉棄損が成り立つ口コミかどうか相談できる
- 依頼すれば、複雑な裁判手続きを一任できる
- 依頼すれば、納得のいく損害賠償を請求できる可能性が高まる
ベンナビITでは、名誉毀損を得意とする弁護士をあなたのお住まいの地域から探すことができます。無料相談・電話相談などに対応している弁護士も多いので、まずはお気軽にご相談ください。
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グーグルへの口コミが名誉毀損にあたるケースとは
グーグルの口コミは店舗・施設を利用する際の参考になりますが、中には違法な名誉毀損に当たるものも含まれています。
名誉毀損の成立要件
名誉毀損には、刑法上の「名誉毀損罪」(刑法230条1項)と民法上の「名誉毀損(不法行為)」(民法709条)の2種類があります。それぞれの要件は以下のとおりです。
<刑法上の名誉毀損罪の要件>
<民法上の名誉毀損の要件>
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名誉毀損にあたる口コミの例
たとえば、グーグル上に以下のような口コミが投稿された場合には、名誉毀損に当たる可能性が高いです。
など |
グーグル(Google)の口コミで名誉毀損を受けた場合の対処法
グーグルの口コミで名誉毀損を受けた場合には、以下の対応をとることが考えられます。
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投稿された口コミの削除を求める
名誉毀損に当たる口コミを放置していると、それを根拠なく信じた閲覧者によって拡散され、店舗や施設の評判に重大な悪影響が生じるおそれがあります。
Google社に対して、問題の口コミを速やかに削除するよう申請しましょう。Google社に対応してもらえない場合は、裁判所に発信者情報開示命令を申し立てることも考えられます(後述)。
投稿者に損害賠償を請求する
口コミによる名誉毀損は、不法行為に基づく損害賠償請求の対象です(民法709条)。グーグル上で名誉毀損を受けた場合には、投稿者に対する損害賠償請求を検討しましょう。
損害賠償の金額のうち、慰謝料については数十万円程度が標準的です。さらに、営業上の実損害が生じている場合には、名誉毀損との因果関係を立証し得る範囲で損害賠償の対象となります。
なお、匿名で行われている口コミについても、「発信者情報開示請求」によって投稿者を特定できる場合があります(後述)。
グーグルの口コミの削除を求める方法
グーグルの口コミの削除を求める方法は、大きく分けて以下の2つです。
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Google社に対して削除を申請する
検索結果・Google Map・ビジネスプロフィールなど、グーグルのサービス上に掲載された不適切な口コミについては、以下のフォームからGoogle社に削除申請ができます。
参考:Google 上のコンテンツを報告|Google
裁判所に投稿削除の仮処分を申し立てる
Google社が削除に応じない場合には、裁判所に投稿削除の仮処分を申し立てることが考えられます。
口コミによって被害者に著しい損害または急迫の危険が生じるおそれがあり、それを避けるために必要であることを疎明すれば、裁判所がGoogle社に対して投稿削除の仮処分命令を発します(民事保全法23条2項)。
仮処分命令を得た後、Google社に対して再度口コミの削除を求めれば、速やかに削除される可能性が高いです。
匿名の投稿者を特定する発信者情報開示請求の手続き
匿名で投稿されるグーグルの口コミにつき、投稿者を特定するためには「発信者情報開示請求」を行うことが考えられます。
発信者情報開示請求の大まかな流れは、以下のとおりです。
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裁判所に対する各種の申立て
グーグルの口コミについて発信者情報開示請求をする際には、裁判所に対して以下の申立てを行うのが一般的です。
Google社を相手方として、発信者情報開示命令を申し立てます(同法8条)。 Google社からアクセス・プロバイダに関する情報が開示された後、アクセス・プロバイダに対して発信者情報開示命令を申し立てます(同法8条)。 Google社またはアクセス・プロバイダによるログの消去が懸念される場合には、発信者情報開示命令と併せて消去禁止命令を申し立てます(同法16条1項)。 |
裁判所に対する申立て後の手続き
上記の各申立てを行った後、以下の流れで発信者情報開示命令事件の手続きが進行します。
アクセス・プロバイダを相手方として発信者情報開示命令を申し立てた旨をGoogle社に通知すると、Google社からアクセス・プロバイダに対して、口コミに紐づいたIPアドレスなどが提供されます(プロバイダ責任制限法15条1項2号)。 Google社がアクセス・プロバイダにIPアドレスなどを提供した事実は、Google社から裁判所に通知されます。裁判所はGoogle社とアクセス・プロバイダのそれぞれに対する発信者情報開示命令事件を併合し、1つの手続きで審理します。 発信者情報開示命令の申立てを受けたGoogle社およびアクセス・プロバイダは、投稿者本人に対して、発信者情報を開示してもよいか否かにつき意見を聴取します(同法6条1項)。 裁判所は、申立人・Google社およびアクセス・プロバイダの三者から意見を聴取します(同法11条3項)。 発信者情報開示請求の要件(同法5条)を満たしていると判断した場合、裁判所はGoogle社またはアクセス・プロバイダに対して、発信者情報を開示すべき旨の命令を行います。 |
発信者情報だけでは投稿者を特定できない場合の例
発信者情報が開示されても、投稿に用いられた端末が投稿者自身のものでない場合は、投稿者の特定に至らないことがあります。
アクセス・プロバイダから提供される契約情報は端末所有者のものであって、投稿者のものとは限らないからです。
※(例)インターネットカフェから投稿した場合など
ただし、投稿がなされた日時における入店履歴などと照合すると、投稿者を特定できる可能性があります。
名誉毀損の口コミ投稿者に対する損害賠償請求の手続き
グーグル上に名誉毀損の口コミを投稿した相手に対しては、損害賠償請求を検討しましょう。損害賠償請求の主な手続きは、以下のとおりです。
投稿者と直接話し合い、示談金(損害賠償)の精算について合意を目指します。合意が成立すれば、早期に示談金の支払いを受けることができます。 裁判所に申立てを行い、損害賠償の支払いを督促してもらいます。投稿者側から異議が申し立てられなければ、最終的に強制執行を申し立てることができます。 参考:支払督促|裁判所 裁判所に対して、投稿者に損害賠償を命ずる判決を求めます。損害賠償請求権の存在を立証しなければならないため、専門的な対応が求められます。 |
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グーグルの口コミに関するトラブルを弁護士に相談するメリット
グーグル上で誹謗中傷などの口コミを発見した場合には、弁護士に対応を依頼することをおすすめします。
グーグルの口コミに関するトラブルについて弁護士に相談するメリットは、主に以下の2点です。
発信者情報開示請求や損害賠償請求など、悪質な口コミ投稿者の責任を追及するためにどのような手続きをとり得るのか、法的な観点からアドバイスを受けられます。 裁判所に対する各種申立てや損害賠償請求訴訟など、高度な専門性が要求される手続きについても、全面的に対応を依頼できます。 |
名誉毀損への対応に関する弁護士費用の目安
インターネット上における名誉毀損への対応を弁護士に依頼する場合、以下の弁護士費用がかかります。
正式に依頼する前に利用した法律相談について発生します。 弁護士へ案件対応を正式に依頼する際に支払います。 弁護士の案件処理により、何らかの成果が得られた場合に支払います。 (例)発信者情報が開示された、損害賠償を得られたなど 案件対応に関して、弁護士が出張した場合に発生します。 案件対応に当たって弁護士が支出した実費は、依頼者負担となります。 |
各弁護士費用の金額目安(実費については具体例)は、以下のとおりです。
※損害賠償請求の弁護士費用については、「日本弁護士連合会弁護士報酬基準」(現在は廃止)を参考にしています。
※インターネット投稿の削除依頼・発信者情報開示請求については、同基準に記載がないため、筆者の私見による参考値を記載しています。
実際の弁護士費用は依頼先によって異なるので、複数の弁護士から見積もりを取得することをおすすめします。
相談料
<共通>
30分5,500円程度
※弁護士によっては、無料相談を受け付けている場合があります。
着手金
<インターネット投稿の削除依頼に関する着手金額の目安>
任意交渉の場合 |
11万円~33万円 |
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仮処分申立ての場合 |
22万円~44万円 |
<発信者情報開示請求に関する着手金額の目安>
22万円~44万円
<損害賠償請求に関する着手金額の目安>
経済的利益の額が300万円以下の場合 |
経済的利益の額の8.8% |
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300万円を超え3,000万円以下の場合 |
経済的利益の額の5.5%+9万9,000円 |
3,000万円を超え3億円以下の場合 |
経済的利益の額の3.3%+75万円9,000円 |
3億円を超える場合 |
経済的利益の額の2.2%+405万9,000円 |
※請求額を経済的利益として計算
<名誉毀損罪・侮辱罪の刑事告訴に関する着手金額の目安>
22万円~44万円
報酬金
<インターネット投稿の削除依頼に関する報酬金額の目安>
任意交渉の場合 |
11万円~33万円 |
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仮処分申立ての場合 |
22万円~44万円 |
<発信者情報開示請求に関する報酬金額の目安>
22万円~44万円
<損害賠償請求に関する報酬金額の目安>
経済的利益の額が300万円以下の場合 |
経済的利益の額の17.6% |
---|---|
300万円を超え3,000万円以下の場合 |
経済的利益の額の11%+19万8,000円 |
3,000万円を超え3億円以下の場合 |
経済的利益の額の6.6%+151万円8,000円 |
3億円を超える場合 |
経済的利益の額の4.4%+811万8,000円 |
※獲得額を経済的利益として計算
<名誉毀損罪・侮辱罪の刑事告訴に関する報酬金額の目安>
22万円~44万円
※捜査の開始、実際の処罰などが基準
日当
半日(往復2時間超4時間以内) |
3万3,000円以上5万5,000円以下 |
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一日(往復4時間超) |
5万5,000円以上11万円以下 |
実費
など |
名誉毀損の被害について相談する弁護士を探すなら「ベンナビIT」
グーグルの口コミなどで名誉毀損を受けた場合は、弁護士に相談することが解決への近道です。
名誉毀損について相談できる弁護士に心当たりがない方は、「ベンナビIT」をご活用ください。相談内容や地域に応じて、簡単に弁護士を検索できます。
無料相談を実施している弁護士も多数掲載されており、メールや電話で直接問い合わせることが可能です。
インターネット上での名誉毀損にお悩みの方は、「ベンナビIT」を活用して弁護士にご相談ください。
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