マンションでよくある騒音問題と対処法｜事例や備える方法も解説

隣人の話声やテレビの音など、騒音問題に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。とくにマンションに住んでいると家と家の距離が近いこともあり、余計に気になってしまいますよね。

ただ、「注意したら逆恨みされそうでいえない」「誰に相談したらいいのかわからない」など、不安なことが多くなかなか解決できないという方も多いかと思います。

そこで、この記事では身近に潜む騒音問題の事例と、どのように対処すればよいのかを解説していきます。

マンションの騒音トラブルでよくある事例

まずはじめに、マンションの騒音トラブルでよくある事例を紹介します。

これからマンションへの引っ越しを予定している方は参考に、トラブルにならないように備えておきましょう。

住民の声や上の階の足音など、生活音が原因の騒音

最も代表的なのが「隣人の話し声が聞こえる」「上の階で子どもが走る音が聞こえる」など、人が発する生活音が原因の騒音です。

とくにマンションの場合部屋同士が密接しているため、壁が薄い部屋だと思った以上に声や音が通ってしまいます。

掃除機や洗濯機など、家電が発する騒音

「掃除機をかける音がうるさい」「洗濯機をかける音が耳障りだ」など、家電の音が原因の騒音もよくある事例のひとつです。

また、音を出す時間帯も重要な要素です。疲れていてゆっくりしたい夜間に騒音がすると、いつも以上にうるさく感じてしまうことでしょう。

騒音を出している側はその音に慣れてしまっているので、事の重大さに気づいていない場合があります。

ドアの開閉音や排水音など、建物の構造が原因となる騒音

建物の構造が原因となる騒音もあります。とくに建物が古い場合、ドアの軋む音やスライドさせた際に発する動作音などは、上下左右で隣している部屋に響きやすい傾向があります。

テレビや楽器など、音響機器が原因となる騒音

テレビや楽器といった音響機器が発する音もトラブルの原因になります。

マンションの場合、楽器を禁止しているところも多いですが、それを無視して演奏してしまったり、夜間に音を出してしまうと問題に発展しやすい傾向があります。

騒音といえる音量の目安は？

騒音と呼べる明確な基準はありませんが、環境省が定める環境基準において、住宅地では以下のような騒音の基準が設けられています。これは工場などに対して求められる基準なので、あくまで目安として捉えてください。

たとえば55デシベルだと、エアコンの室外機が発する音や静かな事務所内の音と同程度だと思ってください。また、45デシベルは静かな図書館や雨の振る音と同じようなイメージです。

【参考】環境省

マンション・アパートは騒音問題が起きやすい

マンションの場合、部屋と部屋が密接している関係で、騒音問題が発生しやすい傾向があります。また、木造の場合は、壁と壁の間に隙間で音が反響し、よけいに音が伝わりやすいです。

一度その部屋に住むと、たいていの場合隣人か自分のどちらかが退去するまで解決しません。その結果、がまんが重なり、トラブルへと発展していくケースが多いといえます。

マンションでの騒音問題の解決方法

マンションの騒音問題の解決方法を、「相手に注意したいとき」「自分が苦情を言われたとき」の2つの観点で解説します。

相手の騒音を注意したいとき

まずは、マンションに住んでいて、隣人の騒音に悩んでいるときの対処法を解説します。

管理会社・大家さんに相談する

近くに住んでいるがゆえに、直接言いに行くのはかなりの勇気がいるでしょう。そのため、まずは管理会社か大家さんに相談するのがおすすめです。

口頭で伝えてくれることもあれば、騒音注意文といって書面で注意してくれることもあります。

場合によっては被害者本人から言われるよりも第三者から注意されたほうが、事の重大さに気づいてくれることもあるでしょう。

管理会社や大家さんがわからない場合は、賃貸や購入の際に交わした契約書を確認するとよいですよ。

地方公共団体に設置されている相談窓口を利用する

自分が住んでいる地域に相談窓口を頼るのも手です。環境に関する課が請け負っているケースが多い傾向があります。

ただ、地方自治体によっては問題解決にあまり積極的でなかったり、工場や工事現場での騒音対策を専門としている場合があるので、まずは電話で何をしてもらえるのかを確認するとよいでしょう。

弁護士に相談する

どうしても解決しない場合、弁護士に頼るのがよいでしょう。弁護士に相談する際は、訴訟だけでなく調停といって話し合いによる円満解決をすることも可能です。

また、弁護士がでてくることによって相手にプレッシャーを与えられるので、苦情を無視されるリスクも抑えられます。

弁護士費用が高額な点はネックですが、より確実に解決したいなら弁護士に相談するとよいでしょう。

自分が苦情を言われたとき

自分が苦情を言われてしまった場合は、以下のような対策をとってみましょう。

また、騒音について身に覚えがまったくない場合や、明らかに嫌がらせと思われる苦情を言われて困っているなどの場合は、管理会社や大家さん、弁護士への相談も検討しましょう。

騒音問題を放っておくと大変な事態になることも

誰にとっても身近に騒音問題ですが、放っておくと大変危険な事態を招いてしまうこともあります。

過去には音に敏感だった男性が、日曜大工の音やピアノの音に腹を立て、下の階に住む母親と娘を殺害するという事件が起きました。

同じ年にも別の地域で騒音が問題となる殺人が起きており、音がキッカケで深刻なトラブルに発展するケースは稀ではないといえるでしょう。

騒音問題は誰しも身近な問題！弁護士保険で備えておこう

とくにマンションの場合、部屋が密接していることもあり音には敏感になりがちです。大事になる前に、気になったらすぐに管理会社や大家さん、弁護士に相談するとよいでしょう。

弁護士に仕事を依頼したほうが、こちらの訴えが相手に伝わりやすく問題解決に向かいやすい傾向があります。その一方で、高額な弁護士費用がデメリットといえます。

もしトラブルが起きる前なら、弁護士保険に加入しておくとよいでしょう。弁護士保険とは弁護士費用を補償する保険のことで、毎月2,000～4,000円程の保険料で加入できます。

すでに起きているトラブルは補償できないため、トラブルが起こる今のうちに加入しておくのが賢明です。

まとめ

ときに騒音問題は非常に大きなトラブルに発展していきます。そうならないためにも、騒音問題にどのように向き合い、どう対処すればよいのかを理解しておくことが重要です。

どうしても解決しない場合は、専門的な知識をもった弁護士に相談するのがよいでしょう。