自転車保険に加入していますか?
自動車での事故と同様、本来自転車事故も交通事故に含まれます。
しかし、自動車保険と異なり、自転車保険は未加入の方も多いのが現状ではないでしょうか。
自転車保険未加入での事故は、加害者・被害者どちらにとってもリスクがあり、トラブルになりかねません。万が一に備えるためにも、自転車保険への加入が必要です。
この記事では、自転車保険未加入の人が自転車事故を起こした場合の問題点や対処法、保険の選び方を紹介します。
交通事故トラブルが発生した際、個人のみで対応しようとすると過失割合や示談交渉で不利になる傾向にあるため、弁護士へ依頼される方が多くいます。
状況によっては高額な弁護士費用が必要になることもありますが、事前にベンナビ弁護士保険に加入しておけば弁護士費用の負担を軽減できます。
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自転車保険の加入率
以下は、au損害保険株式会社が行った「自転車保険加入状況の実態調査」をもとに作成した自転車保険加入率グラフです。
*数値は四捨五入しています
参照元:au損害保険株式会社|自転車保険加入率
au損害保険株式会社の調べでは、全体的に自転車保険の加入率は増加傾向となっています。背景には、全国的に自治体が自転車保険の義務化をすすめていることが挙げられるでしょう。
とはいえ、グラフからは、約40%近くの方が加入していない状況もうかがえます。
また、損害保険料率算出機構によると、2021年度の自動車保険の普及率は、全国で約75%を超えています。自転車保険は、自動車保険に比べて未加入の方が多いといえるでしょう。
参照元:損害保険料率算出機構|2021年度 自動車保険の概況(P120)
自転車事故の現状
国土交通省の調査では、自転車事故の発生状況は、以下のようになっています。
引用元:国土交通省 自転車活用推進本部|自転車事故の損害賠償に係る現状について
自転車に関する事故自体は減少しているものの、「自転車対歩行者」の事故に関しては、何年も横ばいであることが読みとれます。
自転車対歩行者の事故が減らない背景には、自転車利用者の以下のような行為が関係しているといえるでしょう。
【例】
|
自転車の運転は、ペダルをこぐ、ブレーキをかける、と比較的シンプルです。
複雑な操作がないため、小学生やお年寄りも利用できます。
手軽さゆえに、「これぐらい大丈夫」と思い込みやすく、思わぬ事故に発展してしまうと考えられるでしょう。
実際、未成年が自転車事故の加害者であるケースも起きています。
引用元:国土交通省 自転車活用推進本部|自転車事故の損害賠償に係る現状について
高校生の事故件数が目立ちますが、小学生・中学生の自転車事故も、他の年代に比べて高い傾向です。
「じゃあ、子どもが自転車事故を起こした場合はどうなるの?」
「保険、入っていないけど慰謝料を支払う可能性もある?」と思う方もいるのではないでしょうか。
次の章で、自転車保険に加入していない人が自転車事故を起こした際の問題点を紹介します。
自転車保険未加入の人が自転車事故を起こした際の問題点
自転車保険未加入の人が自転車事故を起こすと、以下のようなリスクがあります。
|
損害賠償が支払えない可能性がある
自転車保険に加入していない場合、事故を起こした際に、高額の損害賠償金を自己負担で支払わなければならない可能性があります。
【高額賠償金の事例】
賠償金 |
事故の概要 |
裁判所 |
9,521万円 |
11歳の男子小学生の自転車が歩行中の62歳女性と衝突。歩行者の女性は意識不明となった。 |
平成25年7月 神戸地裁 |
9,266万円 |
自転車運転中の男子高校生が車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた24歳会社員男性と衝突。会社員は言語機能の喪失等重大な障害が残った。 |
平成20年6月 東京地裁 |
9,000万円もの高額な損害賠償が請求されるケースも実際に起きています。
自己負担で支払うのは、決して容易ではないでしょう。
その結果、支払いの分割や、場合によっては自己破産の可能性もでてきます。
自転車保険に加入している場合は、被害者に対する損害が補償されますが、未加入の場合は賠償額を補償されず、実費で支払わなければならない点は大きな問題といえるでしょう。
未成年の場合は親が責任を負う
自転車事故は、未成年が加害者になるケースもあります。
加害者が未成年の場合、本人に責任能力があるか否かが判断されます。
民法上では未成年者に責任能力がないと判断されると、保護者が責任を負い慰謝料を支払わなければなりません。なぜなら、親には監督義務者の責任があるからです。
第七百十四条 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
引用元:民法|e-Gov法令検索
「どの年齢から責任能力があると判断されるの?」と思う方もいるかもしれません。
責任能力の有無は、個別の判断となりますが、判例では12歳程度が目安となっているようです。
子どもの起こした事故であっても、高額の賠償金が請求される可能性はあり、保護者が負担しなければならないケースもある点がリスクといえます。
示談がスムーズに進まない場合がある
示談がスムーズに進みにくいところも、問題点といえるでしょう。
保険に加入している場合は、「示談交渉サービス」により、保険会社が加害者に代わって交渉を行ってくれる場合があります。
しかし、自転車保険未加入の場合、示談交渉サービスがないため、直接被害者と交渉することになります。
当事者間の交渉では、客観的な証拠や根拠などがなく、論理よりも感情が前面に出やすくなります。
そのため、「自分は悪くない」「相手が急に飛び出してきた」などと言い合いになり、かえって話しがこじれてしまう可能性があるのです。
保険未加入の自転車事故は弁護士への相談がおすすめ
保険未加入で自転車事故を起こした・巻き込まれた際は、弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に相談すると、適正な賠償金額を教えてもらえます。
また、自分の代わりに示談交渉も行ってもらえます。
当事者同士が顔を合わせることがなくなるため、精神的ストレスも軽減できるのではないでしょうか。
1人で悩みを抱え込んでいる方や、どうしたらいいかわからない方、示談が進まず困っている方は、弁護士に相談してみましょう。
自転車保険の加入義務化は広がっている
「自転車事故の被害者を守る」「加害者の経済的負担を軽減する」という2つの観点から、自転車損害賠償責任保険の加入を義務化する自治体が広がってきています。
引用元:国土交通省|自転車損害賠償責任保険等への加入促進について
努力義務から、義務化へと条例を切り替える自治体も増えてきていることから、今後ますます自転車保険の加入が広がっていくと見込まれます。
自分が住んでいる地域が自転車保険を義務化しているかわからない方や、引っ越したばかりの方は、自治体のホームページなどを確認しましょう。
自転車保険のおもな補償内容
自転車保険の補償は、大きくわけて「自分のケガの補償」と「被害者への補償」の2種類があります。
補償内容やサービスは以下のとおりです。
【例】
補償の種類・サービス |
内容 |
自分のケガの補償 |
自転車事故で自分がケガをした際に受け取れる保険金 (例)死亡・後遺障害・入院・通院・手術 など |
個人賠償責任 |
自転車事故で相手にケガを負わせたり物を壊したりした際に、賠償金などの損害を補償する |
弁護士費用などの補償 |
相手への損害賠償請求を委任したり相談したりした際に生じる弁護士費用を補償する |
示談交渉サービス |
被害者から損害賠償を請求された際、加害者の代わりに保険会社が示談交渉を行ってくれるサービス |
ロードサービス |
事故や故障などの自転車トラブルの際に、スタッフが駆けつけ、自転車を搬送してもらえるサービス |
賠償金の補償額や、付帯しているサービスは保険によって変わってくるため、いくつかの保険を比較してみることをおすすめします。
自転車保険の選び方
自転車保険のおすすめの選び方は、以下2つです。
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個人賠償責任補償のついたものを選ぶ
個人賠償責任補償のついた保険を選びましょう。
個人賠償責任補償があれば、万が一、自分や家族が事故の加害者になり、相手に損害賠償を請求されたとしても、損害を補償してもらえます。
賠償金が高額になるケースもあるため、自分たちにとっても被害者にとっても、重要になる補償です。補償額は、1億円以上や無制限のものを選ぶと、高額な請求にも備えられて安心できるでしょう。
また、個人賠償責任補償は、「特約」いわゆる「オプション」として付帯されているケースも少なくありません。
例えば、火災保険や任意の自動車保険、損害保険などについている可能性がありますので、現在加入している保険内容を確認してみましょう。
家族全員で加入できるものを選ぶ
家族全員で加入できる自転車保険を選びましょう。
なぜなら、子どももお年寄りも、自転車事故に巻き込まれる可能性があるからです。被害者・加害者となった際に、補償の対象外では意味がありません。
1人の加入で、夫婦・子ども・同居の親族など、家族全員が対象になる保険もあります。
1人ずつ加入するより支払いがお得になるケースもあるため、補償の範囲や補償対象者を確認しながら検討しましょう。
最後に | 万が一のために自転車保険には加入をおすすめ
自転車保険に加入していない状態で事故が起きると、損害賠償を支払えない・受け取れないなどのリスクがあります。
事故後は検査や通院など、医療費がかかるケースもあるでしょう。
補償を受けられないのは大きなデメリットといえます。
また、自転車保険の加入を義務付ける自治体も増えてきています。義務付けられている自治体での保険未加入は、条例違反にあたります。「知りませんでした」とならないよう、早めに自転車保険に加入しましょう。
現在、損害賠償額や示談交渉などで悩んでいる方は、弁護士への相談がおすすめです。
アドバイスや相手との示談交渉も行ってもらえるので、解決の糸口が見つかるでしょう。