弁護士費用ってどれぐらいかかる?弁護士費用の種類とトラブル別の弁護士費用の目安

弁護士費用ってどれぐらいかかる?

弁護士にトラブルの解決や手続きなどを依頼した場合は「弁護士費用」がかかります。

弁護士費用は「一律◯◯万円」といったかたちではなく、案件の内容や難易度に応じて変化するため一定ではありません。

弁護士費用の内訳やケース別の弁護士費用の目安をみていきましょう。

弁護士費用って何にお金がかかるの?弁護士費用の種類

弁護士費用は、以下の6つの費用にわかれています。

「法律相談料・着手金・報酬金(成功報酬)・日当・実費・手数料」

それぞれについて詳しく説明いたします。

法律相談料

弁護士にトラブルの内容を相談して法的な立場からどのような解決方法があるのかなどのアドバイスを受ける際にかかる費用です。

30分あたり5,000円が相場ですが、初回に限って無料、相談したい分野によって無料といったサービスを用意している事務所も増えています。

着手金

弁護士に事件の解決を依頼したときに支払う事務処理の対価となる費用です。

正式な依頼は着手金の支払いをもって成立します。

もし依頼した事件が解決できなかった場合でも、着手金は返還されません。

報酬金(成功報酬)

依頼した事件が成功したときに支払う費用です。

着手金とは違って、依頼が成功しなかった場合は支払いが発生しません。

「成功」とは依頼内容の100%を勝ち取った場合に限らず、一部成功の場合でも成果の度合いに応じて報酬金が発生するのが一般的です。

どの程度の成功でいくらの報酬金が発生するのかを事前に話し合っておかないとトラブルになりやすいので注意しましょう。

日当

弁護士が事務所外で活動した際に支払う費用です。

裁判所への出廷、トラブル相手との示談交渉、留置先での接見などを依頼した場合に発生します。

実費

裁判を起こす際の裁判所に納付する印紙代や切手代、記録の謄写費用など、事務処理を進めるために実際に発生した費用です。

法務局への供託が必要となる場合や鑑定が必要な場合の費用も実費に含まれます。

手数料

書類作成など、事務的な手続きを依頼した場合に支払う費用です。

遺言の執行、会社の設立、登記や登録といった争いのない手続きで発生します。

トラブル別のかかる弁護士費用の目安

弁護士費用はどんな内容のトラブルについて解決を依頼したのかによって上下します。

ここで紹介するのは、ケース別にかかる弁護士費用の目安です。

実際の費用は依頼する事務所や事案の内容・難易度によって変わるので、あくまでも目安であるとご理解ください。

離婚トラブル

離婚トラブルの解決を依頼した場合、調停では40~70万円、裁判になると70~110万円が相場です。

また、要望に応じて次のように報酬も加算されます。

慰謝料請求

獲得金額の10~20%の報酬が加算されます。

財産分与

獲得した経済的利益の10~20%の報酬が発生します。

親権争い

成功報酬の相場は10~20万円です。

子どもの人数や年齢によって変動することがあります。

養育費

子ども1人あたりに支払われる1年間の養育費の10%が報酬の相場です。

養育費を受け取ることができる期間によって加算されることもあります。

遺産相続トラブル

遺産相続に関するトラブルは相手が親族間であるため問題が深刻になりやすく、弁護士のサポートがないと解決が難しいのが特徴です。

着手金の一般的な相場は20万円程度ですが、事案の難易度や想定される経済的利益の大きななどによって200万円以上かかることもあります。

トラブルの内容に応じた報酬金の相場は次のとおりです。

遺産分割の代理交渉

遺産分割協議の代理交渉を依頼した場合は、獲得した経済的利益の大きさによって報酬金が変動します。

弁護士費用が自由化されるよりも前の旧日本弁護士連合会報酬等基準によると、次のように段階的に報酬額が上がる仕組みになっており、この仕組を踏襲している事務所が多いようです。

  • 300万円以下の場合……経済的利益の16%
  • 300万円を超え 3000万円以下の場合……10%+18万円
  • 3000万円を超え 3億円以下の場合……6%+138万円
  • 3億円を超える場合……4%+738万円

【引用】(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

遺言書作成

遺言書の作成も、遺産の総額や相続人の数によって変動するため一定の相場はありません。

(旧)日本弁護士連合会の報酬等基準によって示されている経済的利益に応じた段階的な報酬が参考になるでしょう。

  • 300万円以下の場……20万円
  • 300万円を超え 3000万円以下の場合……1%+17万円
  • 3000万円を超え 3億円以下の場合……0.3%+38万円
  • 3億円を超える場合……0.1%+98万円

【引用】(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

また、遺言を公正証書にする場合は、別途3万円程度の手数料が加算されます。

遺言執行

遺言の執行にかかる報酬も経済的利益に応じて大きく変動します。

  • 300万円以下の場合……30万円
  • 300万円を超え 3000 万円以下の場合……2%+24万円
  • 3000万円を超え 3 億円以下の場合……1%+54万円
  • 3億円を超える場合……0.5%+204万円

【引用】(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

相続放棄

相続放棄は裁判所への手続きが必要となるだけでとくに誰かと争うわけではないので、手数料だけで済むケースが多いでしょう。

手数料の相場は10万円程度です。

遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)

遺留分を侵害された場合に、相手に請求の意思表示をするだけであれば3~5万円程度の手数料がかかるだけです。

ただし、遺留分の主張について裁判で争う場合は、獲得した経済的利益によって報酬額が変動します。

  • 300万円以下の場合……経済的利益の16%
  • 300万円を超え 3000 万円以下の場合……10%+18万円
  • 3000万円を超え 3 億円以下の場合……6%+138万円
  • 3億円を超える場合……4%+738万円

【引用】(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

交通事故トラブル

交通事故の被害に遭った、交通事故を起こしてしまったといったトラブルで弁護士に解決を依頼した場合は、着手金として10~20万円、報酬金として経済的利益の10~15%の弁護士費用が発生します。

刑事事件(逮捕)

刑事事件の容疑者として逮捕されてしまった場合は、着手金・報酬金ともに30~50万円がかかるため、トータルで60~100万円程度が相場です。

接見回数が多い場合や、無罪判決の獲得を目指すなどの難易度が高い事件ではさらに高額になることもあります。

労働トラブル(労働者側)

労働に関するトラブルの解決を依頼した場合、着手金30万円程度が相場です。

報酬金は獲得した経済的利益の大きさによって変動します。

  • 残業代請求
  • 不当解雇
  • 労働災害
  • 労働審判
  • パワハラ・セクハラ
  • 労働訴訟

これらの依頼では、請求額の15~20%の報酬金が発生します。

なお、不当解雇のように経済的利益が金銭に換算できない場合は、1か月の給与額の1~3か月分が相場です。

債権回収

債権回収を依頼した場合は、着手金10~30万円、報酬金として回収金額の10~20%が発生します。

債務整理

借金の負担を軽くする債務整理では、次のような弁護士費用がかかります。

任意整理

整理したい債権者1社あたり5~10万円程度が相場です。

個人再生

個人再生では裁判所への申立てを要する手続きなので、20~50万円の弁護士費用に加えて裁判所に支払う費用として30万円程度の用意が必要です。

自己破産

自己破産も裁判所への申立てが必要です。

20~50万円の弁護士費用に加えて、予納金なども含めて50万円程度を裁判所に支払うことになります。

インターネット上のトラブル

インターネット上における誹謗中傷などのトラブルでは、削除依頼・加害者の特定・損害賠償の請求についてそれぞれ弁護士費用がかかります。

  • 誹謗中傷・風評被害
  • リベンジポルノ
  • 著作権・商標権侵害
  • 自身の犯罪歴の削除依頼

「投稿を削除したい」と依頼した場合は、サイト管理者に対する削除依頼の代行で10~20万円、裁判所への仮処分申立てによる削除依頼で35万円程度が相場です。

さらに、加害者を特定した場合は二段階の発信者情報開示請求が必要となり、IPアドレスの開示請求で35万円程度、発信者情報の開示請求で35~50万円程度がかかります。

加害者に対して損害賠償を請求する場合は、交渉による請求で10万円、民事訴訟による請求で20万円程度の着手金が必要です。

さらに、獲得した賠償金の16%程度の報酬金が発生します。

企業法務

企業法務のサポートを弁護士に依頼する場合は、依頼内容によって費用が異なります。

顧問弁護士

顧問弁護士契約の相場は月額3~5万円です。

相談可能な回数などによって段階的なプランを用意している事務所が多いので、都合にあわせてプランを選択するとよいでしょう。

会社破産・事業再生

会社倒産・事業再生の依頼は、負債額や債権者の数によって着手金・報酬金が変動します。

会社倒産では着手金50~300万円程度、報酬金は減額した金額の5~15%が相場です。

事業再生の場合は着手金240~1,560万円、報酬金は着手金の2倍程度になります。

IPOサポート

上場のサポートは顧問弁護士に依頼することになるため、顧問料として月額3~5万円を支払うことになるでしょう。

事業承継

事業継承のサポートを依頼した場合の弁護士費用は、着手金が会社の総資産額の5%程度、報酬金が事業継承によって獲得できる利益の10%程度が相場です。

M&A

M&Aは依頼主にリスクが伴うケースが多いため、着手金なしの成功報酬のみで受任する事務所が多い傾向があります。

相手先のデューデリジェンスや契約書の作成・チェックなどで100万円以上の弁護士費用がかかると考えておくべきでしょう。

契約書の作成・リーガルチェック

各種の契約書作成・リーガルチェックは顧問弁護士に依頼することになります。

月額3~5万円の顧問料で依頼が可能です。

その他民事事件

ここで挙げたトラブルのほかにも、弁護士のサポートが必要となるトラブルは数え切れません。

不動産トラブル

着手金10~20万円、報酬金は経済的利益の10~20%が相場です。

医療過誤

事案の難易度によって変動しますが、着手金は70~100万円、報酬金は経済的利益の10~20万円程度が相場です。

消費者トラブル

トラブルの内容によって変動しますが、着手金は5~10万円、報酬金は回収額の16%が相場です。

裁判を起こすといくらかかる?訴訟費用について

トラブルが裁判に発展した場合は、弁護士費用とは別に「訴訟費用」がかかります。

訴訟費用に含まれるものとしては、次のようなものが挙げられます。

  • 訴状や申立書に貼付する収入印紙代(手数料……1,000~1万円)
  • 書類を送付するための郵便料金
  • 当事者や代理人、証人などの日当や旅費・宿泊費

訴訟費用は、原則として敗訴した側が負担することになりますが、和解した場合は「各自の負担」となるのが一般的です。

訴訟費用の用意が難しい場合でも、日本司法支援センター(通称:法テラス)による立替制度が利用できる場合があるので、金銭的に苦しい事情があれば法テラスへの相談も検討してみましょう。

裁判費用でよくある質問

裁判費用について、多くの方が感じている疑問についてまとめました。

裁判で勝ったら弁護士費用も相手に請求できますか?

原則として、裁判に勝っても弁護士費用は自己負担です。

敗訴した側に弁護士費用を請求しても支払ってはもらえません。

ただし、相手の不法行為責任を追及して損害賠償を求める場合や、労働災害で安全配慮義務違反を主張する場合は、弁護士費用の請求が認められることがあります。

訴えられましたが弁護士費用を払うのが経済的に難しいです。自分で裁判はできますか。

弁護士がいなくても自力で裁判を進めることは可能です。

訴えた原告、訴えられた被告がみずから進める裁判を「本人訴訟」といい、本人訴訟で対応する被告も少なくありません。

とはいえ、弁護士のサポートなしで裁判を進めるには困難がつきまといます。

弁護士費用の負担が心配なら法テラスの立替え制度の利用や、分割払いが可能な弁護士事務所への依頼を検討しましょう。

法律相談無料の弁護士事務所ってありますか?

弁護士への法律相談は30分あたり5,000円が相場なので、なにか疑問や不安があっても「お金がかかる」となれば相談を躊躇してしまう方も少なくないはずです。

最近では、初回の30分に限って相談無料、相談の分野によっては無料といったサービスを用意している弁護士事務所も増えているので、積極的に利用しましょう。

こちらの事情により裁判を取り下げた場合の弁護士費用はどうなりますか

原則として、着手金は返還されず、そこまでにかかった実費についての請求を受けます。

裁判を取り下げた場合に発生しないのは報酬金のみです。

ただし、正式な委任契約の内容次第では着手金の一部が返還されることもあります。

詳しくは弁護士に相談しましょう。

答弁書作成や書類の郵送料は着手金に含まれますか?それとも別料金ですか?

答弁書の作成や書類の郵送料は着手金に含まれません。

書類作成には手数料が発生し、書類の郵送料や裁判所に支払う印紙代は実費の請求を受けます。

裁判で負けた場合に弁護士費用はどうなりますか?

裁判で負けた場合は依頼に「失敗」したことになるので、原則として報酬金が発生しません。

ただし、すでに支払い済みの着手金は返還されません。

また、全体的には敗訴だとしても一部の主張が認められた場合は報酬金が発生することもあります。

契約時点での「成功」の定義に左右されるので、正式に委任契約を結ぶ際にしっかりと確認しておきましょう。

弁護士費用で経済的利益とありますが、どういう意味でしょうか。

経済的利益とは、請求によって獲得できた賠償金や不動産の所有権の時価相当額、獲得した遺産額などを指します。

また、交渉によって借金や慰謝料が減額された場合も、減額分が経済的利益となります。

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