「生活音が気になる」「音がして眠れない」「集中できない」と、悩んでいませんか?
「自分の家では自由に、快適に暮らしたい」と思うのは、ごく自然なことです。
とはいえ、近隣住民とトラブルになりたくない気持ちから、相談をためらっている方もいるかもしれません。
集合住宅は、一戸建てに比べて床や壁が薄いため、どうしても音・振動が伝わりやすくなります。騒音で悩んでいるときは、まず管理会社や大家に相談してみましょう。
この記事では、騒音トラブルの種類や対処法、対策を紹介します。
「些細なきっかけから発展してしまった…」
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騒音トラブルの種類
騒音には、話し声や振動音など、さまざまな種類があります。
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話し声・足音
騒音トラブルの代表例といっても過言ではないのが、話し声や足音です。
【例】
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集合住宅で暮らしていると、上の階の足音や話し声は、どうしても響きがちです。
大人が普通に生活をしている場合でも足音は聞こえているため、子どもが走りまわる足音となれば、「うるさい」と感じる方もいるでしょう。
また、エントランスなどの共用部分で話す声が、耳障りに感じる方もいます。
話が盛り上がると、だんだん話し声や笑い声が大きくなりやすいものです。
結果、他の住人から不快に思われトラブルに発展することがあります。
楽器演奏
ピアノやギター、フルートなどの楽器演奏も騒音トラブルになっています。
例えば、以下のようなケースです。
【例】
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集合住宅の中には、入居ルールとして楽器演奏を禁止しているところもあります。
禁止されているところでの演奏は、規約違反です。たとえヘッドホンをつけて演奏していても、ペダルの振動音やドラムの打音が響きやすいため、騒音トラブルの原因になり得ます。
また、演奏可能な時間内でも、大音量で演奏すると苦情がくる可能性があります。
隣人に在宅勤務の方や、夜勤明けで睡眠中の方もいるかもしれないので、近隣住民への配慮が必要といえるでしょう。
エンジン音
車やバイクのエンジン音も、騒音トラブルのひとつです。
早朝や深夜は、とくに音が響きやすい時間帯です。「うるさくて寝つけない」「音のせいで目が覚めた」とストレスを感じる人は珍しくありません。
睡眠がうまくとれなかった場合、仕事のパフォーマンスなどが落ちてしまう可能性があります。その結果、「エンジン音がうるさくて眠れなかったせいだ」と、トラブルに発展するケースが考えられるのです。
エンジンをふかす、長時間アイドリングをする、といった行動も注意が必要といえます。
その他:振動など
騒音トラブルは、「音」だけではありません。
衝撃音や振動音も含まれています。
例えば、以下のような生活音がトラブルに発展するケースがあります。
【例】
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乱暴にドアを開け閉めした場合には「ドン」、ペットボトル飲料などを落とした際は、「ドスン」と、結構大きな衝撃音となり、響きます。
また、掃除機や洗濯機は、床から直接振動が伝わる特徴があります。
そのため、時間帯によっては生活音であっても「この時間にするのは、やめてほしい」と思う人も少なくないのです。
ビー玉を転がす音、荷物を引きずる音など、振動音が生じるケースは他にも多くあります。
生活音に関する騒音トラブルは問題認定が難しい
騒音トラブルに悩む方は少なくありません。
一方で、騒音トラブルは、問題だと認定するのが難しい側面があります。
なぜなら「音」は、人が生活を送るうえで、どうしても生じてしまうものだからです。
例えば、掃除機や洗濯機は、人々の暮らしに欠かせません。使用すれば少なからず振動音は生じるものであり、止めようと思って止められるものではありません。
吸音シートを敷くなどの工夫をしても、完全に音を消すことはできないでしょう。
そのため、騒音問題をはじめとする社会生活上のトラブルには、違法性の判断基準として「受忍限度」が最高裁判例で認められていますす。
【受忍限度とは】 社会生活を営むうえで、騒音・振動などの被害の程度が、社会通念上我慢できるとされる範囲。この範囲を超えると加害者が違法とされることがある 引用元:goo国語辞書|受忍限度(じゅにんげんど)の意味 |
騒音トラブルを訴えたい場合は、この受任限度を超えているか否かがポイントになってくるのです。
「その範囲はどの程度なの?」と思う方もいるでしょう。
参考として、環境省では、環境基準値を以下のように定めています。
【環境基準】
地域の種類 |
昼間の基準値 (6時~22時) |
夜間の基準値 (22時~翌朝6時) |
療養施設が設置されているなど、静かにする必要がある地域 |
50デシベル以下 |
40デシベル以下 |
住宅街など、人が住むための地域 |
55デシベル以下 |
45デシベル以下 |
住居のほか、商業・工業施設の設置もある地域 |
60デシベル以下 |
50デシベル以下 |
参照元:環境省公式サイト|騒音に係る環境基準について
騒音が40~60デシベルを超えるかどうかが、「耐え難い騒音として認定されるかどうか」の分かれ道といえるでしょう。
基準値については、各市区町村の条例によっても変わります。
測定する際は、お住まいの地域の基準値を確認しましょう。
騒音に関する近隣トラブル対処法
「じゃあ、隣人の生活音が騒音に感じる場合は、我慢するしかないの?」と思った方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
騒音で悩んだ際、まずは同じ集合住宅に住む住民や、管理会社などに相談するのが重要です。
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住民に相談する
部屋が近い住民に相談してみましょう。
騒音について聞いてみることで、困っているのは自分だけなのか、または周りの住民も困っているのかがわかります。
仮に、自分の家だけが悩まされている場合は、次のステップとして管理会社へ相談するのがおすすめです。
一方、周囲も不快だと感じているなら、騒音の程度が「害悪」「公害」になっている可能性があるため、自治会などに相談すると対応してもらえる可能性があります。
このように、近隣住民に相談することで、騒音の状況が明確になってきます。
証拠を集める
騒音トラブルを確実に解決したい際には、証拠を集めるのが重要になります。
「証拠=騒音の証明」となり、管理会社や警察なども対応しやすくなるからです。
以下のような項目をボイスレコーダーなどで録音しておくのも、ひとつの方法です。
【例】
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また、騒音計で数値を出す 方法もあります。
騒音計で測定すると、周囲の騒音値がわかるため、騒音レベルか否かの基準を知ることができるでしょう。
騒音計は、レンタルする、通販サイトで購入するほか、スマホアプリからもできます。
測定方法も、音が聞こえる部分にマイクを近づけるだけ、と簡単です。ただ、長時間測定する可能性も考えられるので、三脚などで固定できるものがおすすめです。
管理会社や大家に対応してもらう
直談判するより、管理会社や大家に相談するのがおすすめです。
近隣トラブルは、当事者同士で話し合うと、かえってこじれてしまうケースが少なくありません。
管理会社や大家などに相談すると、共用部分に張り紙を貼り、注意喚起してもらえる可能性があります。
管理会社や大家は、管理者・責任者の立場なので、直談判するより角が立たず、穏便にすませられるでしょう。
また、騒音が悪質なものや、受忍限度を超えるものだと認められた場合は、「賃貸借契約解除」や「騒音行為の差止め」に至るケースがあります。
自治体や警察に訴える
管理会社や大家が対応しても解決しないときは、自治体や警察に相談してみましょう。
警察相談専用電話「# 9110」では、相談に対するアドバイスがもらえます。
ただし、自治会や警察も、必ず対応してもらえるとは限りません。
例えば、自治体では、「近隣住民がみんな騒音に困っている」状況でなければ、対応してもらうのは難しいです。また、警察の場合は、「事件性がない」と判断されると動いてもらえません。
警察に現場にきてほしい場合は、思いきって110番通報をしましょう。
身分がバレたくない方や不安な方は、匿名での通報も可能です。
弁護士に相談する
事件性が低いケースや、警察でも解決できないケースにも対応してもらえる可能性があるのが弁護士です。
弁護士へ相談すると、法的観点から当事者と交渉してもらうことが期待できます。万が一、近隣トラブルに発展してしまった際も、代理人として活動してもらえることもあります。
「弁護士費用は高そう」と思い、相談を踏みとどまっている方もいるかもしれませんが、無料相談を行っているところもあります。
騒音トラブルなどの証拠集めを、すべて自分で行うのは容易ではありません。法律のプロに相談してみてはいかがでしょうか。
近隣トラブルを未然に防ぐための対策
賃貸アパートやマンションにお住まいの方の中には、引っ越しを視野に入れている方もいるかもしれません。
再度、集合住宅へ引っ越す際には、以下のような対策をとり、近隣トラブルを未然に防ぎましょう。
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建物の防音性を確認する
建物の防音性を確認しましょう。
一般的には、木造の建物より鉄筋コンクリート造の建物の方が、防音性能は高いとされています。
ただ、自分で防音対策をするかしないかによっても、音の程度は変わってくるため、一概にはいえません。
そこで、可能であれば建物内を見学し、周囲の音の聞こえ方を確かめるのがおすすめです。
周囲の音がよく聞こえる状態ならば、防音性は低いといえるでしょう。
角部屋や、二重窓を採用している物件などは、比較的騒音リスクが低くなります。
相場より安い物件には注意する
相場より安い物件には注意しましょう。
なぜなら、安くするだけの理由があると考えられるからです。
例えば以下のようなケースです。
【例】
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事故物件も考えられますが、その場合は管理会社や大家は、入居者に対して告知義務があります。
そのため、告知がなく安い物件に関しては、近隣住民になんらかの理由があり、入居者が定着しないため、相場より価格を安く設定して入居者を募集している、と考えられるのです。
住人によって生活時間帯が異なることを心得ておく
住人によって生活時間が異なることを心得ておきましょう。
集合住宅では、さまざまなライフスタイルの人が暮らしています。夜勤をしている方もいれば、在宅勤務の方もいるでしょう。1人暮らしの方もいれば、子育て世帯もいます。
例えば、1人暮らしの方は、仕事から帰宅後に洗濯機をまわすケースも多いものです。
子どもがいる世帯では、子どもの足音や泣き声が、どうしても響きがちです。
こうしたライフスタイルが似ているなら、「お互いさま」と騒音には感じないかもしれませんが、生活リズムが異なる場合、「うるさいな」とストレスを感じやすくなります。
生活リズムが異なる人もいることを、念頭においておく必要があるでしょう。
日頃から隣人とコミュニケーションをとっておく
日頃から隣人とコミュニケーションをとっておくのも重要です。
良好な人間関係を築いておくことで、近隣トラブルに巻き込まれにくくなります。
例えば、『上の階の住人と話したことがない』とします。夜に物音が聞こえると、「眠れない」とストレスに感じてしまうでしょう。
しかし、コミュニケーションをとる中で、相手が「看護師で働いている」「夜遅くに帰ってくることも多い」ことを知ったとしたら、どうでしょうか。
「今、帰宅したのかもしれない」と想定できるので、イライラが軽減するのではないでしょうか。今までより、物音を小さくする配慮をしてもらえる可能性もあります。
エントランスなどで顔を合わせた際には、相手から「いつも夜うるさくてすみません」といった言葉がかけられるかもしれません。
良好なコミュニケーションかとれるかどうかで、お互いの心理的ストレスが軽減できるでしょう。
最後に
誰でも、近隣トラブルには巻き込まれたくないものです。しかし騒音トラブルは、ふとした原因から生じてしまいやすいです。
集合住宅では、さまざまな生活習慣の人が、ひとつ屋根の下に暮らしています。
生活時間帯が異なる人、子育て中の家庭もあるため、自分が過敏に反応していないか、周囲はどう受け止めているか確認しましょう。
それでも耐え難い騒音の場合や、意図的に騒音を出している場合には、警察や弁護士に相談し、対応してもらうのがおすすめです。
また、引っ越しを検討するのも、ひとつの手段かもしれません。賃貸は分譲住宅に比べて、引っ越しやすいところがメリットです。
自分が快適に暮らせるよう、対策を考えていきましょう。