養育費トラブルは弁護士に依頼すべき|相談するメリットや費用相場について解説 | ベンナビ弁護士保険  
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養育費トラブルは弁護士に依頼すべき|相談するメリットや費用相場について解説

離婚後の養育費は、離婚後の生活に関わる重要なお金です。

そのため、適切な金額で請求をおこない、継続的に支払ってもらう必要があります。

もし養育費について合意がなされない場合は、弁護士を立てることをおすすめします。

本記事では、弁護士を立てるメリットや依頼する際の費用、養育費のトラブルを依頼すべき弁護士の選び方について解説します。

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この記事を監修した弁護士
武藏 元弁護士(法律事務所エムグレン)
弁護士歴10年以上にわたって多数の相続トラブル解決に尽力。多数のメディア出演、著書の執筆実績をもつ。

基本的な養育費の請求方法

養育費は親の離婚後も子どもを育てるための重要な費用なので、正当に請求する必要があります。

養育費の取り決めは一般的には離婚の際にしておきますが、離婚後に求めることも可能です。

流れとしては次のようになります。

  1. 協議による話し合い
  2. 養育費請求調停
  3. 審判

それぞれの請求方法について解説します。

協議によって養育費を決める

まずは協議による話し合いで養育費の金額を決めます。

「養育費を支払ってもらいたい」という意思を相手方に表示し、話し合いによって金額が合意にいたれば支払いを開始してもらいます。

養育費の金額についてはお互いの収入も考慮して決定しますが、裁判所が公開している「養育費算定表」を目安にするとよいでしょう。

【参考】養育費算定表|裁判所 – Courts in Japan

養育費の支払い期間は「子どもが20歳になるまで」が基本です。

民法改正による成人年齢引き下げの影響

民法の改正により、2022年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げとなりました。

養育費の取り決めを「子どもが20歳になるまで」としている場合は問題ありません。

影響があるのは、民法の改正施行前に協議によって「子どもが成人するまで」と養育費の支払い期間を定めている場合です。

話し合い時点で成人(20歳)と想定していたことから、改正後も子どもが20歳になるまで養育費を受け取ることができます。

ただし改正を受けて両者の間で意見の食い違いが生じる場合は、再度協議によって決定し直しましょう。

支払い期間については、明確に記載することをおすすめします。

たとえば「18歳になるまで」(成人・高校卒業時)や、「20歳まで」「22歳に達した次の3月まで」(一般的な4年制大学卒業時)などです。

養育費支払いの合意書を公正証書として残す

両者間の協議が養育費の支払いについて決定した際には、取り決めた内容を合意書にまとめて残しましょう。

養育費の金額・支払い方法についても具体的に記載します。

また、将来的に養育費の未払いが起こる場合に備え、強制執行認諾条項付きの公正証書にしておくことをおすすめします。

公正証書があれば、養育費請求調停や審判を省いて、相手方の給与や財産を直接差し押さえることが可能です。

養育費について合意できない場合は養育費請求調停

協議によって両者間の話がまとまらなかった場合は、相手方に対し養育費請求調停を申し立てましょう。

調停(及び審判)は家庭裁判所に申し立てます。

当事者のほかに調停委員が間に入りさらに話し合いを重ね、両者の合意を得た時点で調停が成立、調停調書が作成されます。

この場合、養育費を請求できるスタート地点は、調停申し立て時です。

それまでの協議期間中の養育費は請求できないため、話し合いで決着がつかないと判断した時点で、できるだけ早く調停を申し立てましょう。

また養育費に関する記載のある離婚協議書や養育費支払いの合意書がある場合、権利を行使できる期間には5年の時効があります。

それまでに相手方が養育費の支払いをスタートしなければ、養育費請求の権利は消滅してしまいます。

時効が迫っている場合には早急に調停を申し立てるか、弁護士に相談しましょう。

民法

第七章 時効

第三節 消滅時効

(定期給付債権の短期消滅時効)

第百六十九条 年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。

引用元:e-Gov 法令検索|民法

調停でも合意できない場合は自動的に審判へ移行

調停を経ても合意が成立しなかった場合は、自動的に審判の手続きに移行します。

審判は、両者の言い分や提出書類を検討したうえで、裁判官が決定を下します。

審判には執行力が発生するため、給与などの差し押さえといった強制執行も可能です。

養育費を弁護士に相談するメリット

養育費の問題を弁護士に相談する一番のメリットは、子どもの利益を最大限に確保しながら、養育者の負担をできる限り軽減できる点です。

そもそも養育費の正当な金額の判断は、当事者同士では難しい問題です。

また離婚成立後に当事者同士が改めて話し合いをするのは、精神的なストレスにもなります。

さまざまな問題をひとりで抱え込み、結果的に損をすることがないよう、早い段階で弁護士に相談してみましょう。

養育費の適正な金額がわかる

養育費の相場は先述の養育費算定表に記載されていますが、あくまで目安です。

離婚の原因がDVや不倫だった場合や、両者の健康状態・子どもの進学状況などの背景や社会的環境も、金額の算定に影響します。

養育費の適正額が相場を上回ることも十分ありえます。

弁護士に相談し、さまざまな事情も汲み取ってもらったうえで、最大限に有利に交渉を進めましょう。

相手方との直接のやり取りが不要になる

養育費請求に関する相手方とのやり取りを代行してもらえるのは、大きな安心要素です。

食い違う意見のやり取りでゴールが見えない状況は、精神的に疲弊してしまいます。

また両者の関係性から、自分の意思を強く言えない場合もあります。

自分の意見を弁護士が代行して伝え交渉してくれることで、相手方とのやり取りに自分の時間を割く必要もありません。

弁護士の介入は、さまざまな負担を軽減しながら円滑に交渉を進められる、最善の方法といえます。

調停や審判に発展した場合も任せられる

話し合いで合意できず調停や審判に発展することも少なくはなく、弁護士に依頼していれば複雑な手続きもそのまま任せられます

調停委員に対する有利な証拠の提示や好印象のアピールも、優位な結果につながります。

審判の決定が調停と同じ結果になってしまわないよう、新たな証拠の提出や意見の主張も必要です。

裁判所の判断を得る段階では、やはり弁護士の力を借りるのが心強いでしょう。

養育費の未払い対策を講じられる

当事者間の協議による話し合いで決着がついても、相手方が養育費を支払わなくなるケースはよくあります。

合意書を公正証書にしていなければ強制執行もできず、調停・審判が必要になってしまいます。

弁護士に相談していれば、話し合いの段階で解決し、公正証書を作成しておくことも可能です。

相手方の未払いに対する無駄な時間や金銭的な損失を事前に防ぐためにも、弁護士のアドバイスは有益です。

養育費の未払いが発生した際も弁護士に相談

養育費の未払いは残念ながらかなりの可能性で起こりうる問題なので、弁護士に相談をし、できるだけ円滑に養育費を請求しましょう。

未払い金の請求には、強制執行を含め以下の4つの方法があります。

  • 履行勧告
  • 履行命令
  • 強制執行
  • 任意交渉

履行勧告

調停や審判によって養育費の支払いが決定しているにもかかわらず、相手方が支払い義務を守らない場合には、家庭裁判所から相手方に対し履行勧告をすることができます。

ただしあくまで勧告であるため法的強制力はなく、従わない場合にも罰則はありません。

履行命令

履行勧告によっても支払いがされない場合、より強制力のある履行命令を裁判所におこなってもらうことができます。

履行命令には「10万円の過料」という罰則が設けられていますが、罰則金は申立人の元に入るわけではありません。

強制執行

強制執行受諾文言付きの公正証書や、調停調書・和解調書など執行力のある書類が手元にあれば、強制執行の手続きをおこなうことができます。

強制執行では、相手方の給与債権や預金口座などの財産を差し押さえ、養育費を回収します。

相手方の意思に関係なく、強制的に差し押さえが執行される強い制度であり、支払いが滞るたびに将来的に何度でも回収が可能です。

任意交渉

上の3つがいずれも法的手続きであるのと違い、任意交渉は弁護士が代理人となって相手方に支払いを求める交渉をおこないます。

方法は状況によって異なりますが、主におこなうのは内容証明郵便の送付と、相手方との直接交渉です。

相手方に自主的に支払いを促す任意交渉と、確実性のある強制執行は、回収率の高さからもおすすめの方法です。

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養育費の解決を弁護士に依頼した場合の費用相場

弁護士費用の自由化により、法律事務所ごとに費用の規定は異なります。

自由化後も「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」を参考にしている事務所も多いため、弁護士への依頼を検討されている方は、目安にしてみるといいでしょう。

【参考】(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

相談料の相場は5,000円

相談料は、弁護士に正式に依頼する前に、法律相談として利用する際の費用です。

金額の設定は事務所により異なりますが、無料相談を実施している法律事務所も増えています

一般的には、30分5,000円・1時間1万円程度が相場です。

着手金の相場は10万円~20万円

着手金は弁護士に案件を依頼した最初に支払う費用で、最終的にどのような結果であっても返金はされません

離婚後の養育費請求のみの依頼の場合、相場は10万~20万円程度です。

報酬金の相場は養育費の2年~5年分の10%~20%

報酬金は、依頼者にとって利益となる結果が得られた際に発生する費用です。

養育費請求については「得られた養育費の〇年分の〇%」という形で定められていることが多く「得られた養育費の2年から5年分の10%~20%」がだいたいの相場です。

たとえば「2年分の10%」を報酬規程としている法律事務所に依頼し、毎月5万円の養育費の決定が得られた場合、報酬金は12万円となります。

日当・実費の相場は5万円

日当は、弁護士が案件対応のために事務所以外の場所へ出向くことで発生する費用です。

また、相手方との郵便のやり取りなどに要する通信費・弁護士の移動にかかる交通費・裁判所へ提出する印紙代や郵券代などが、実費にあたります。

都度清算や案件終了後の一括清算など、事務所によって支払い方法は異なります。

相場としては、半日単位で3万~5万円程度、1日単位で5万~10万程度と想定しておくといいでしょう。

養育費のトラブルを依頼すべき弁護士の選び方

せっかく諸費用を支払ってまで弁護士に依頼するのなら、養育費トラブルを得意とし、最良の結果が得られる弁護士を選びましょう。

法律事務所の無料相談や法律相談を利用し、比較検討をおこなうことをおすすめします。

養育費トラブルに特化している

弁護士本人や法律事務所の方針が、養育費トラブルに特化している点を重要視しましょう。

弁護士は法律問題全般のスペシャリストですが、それぞれに得意分野があります。

著書や専門書の監修の有無は、離婚や養育費トラブルに特化しているか判断するためのひとつの目安です。

また事務所の公式サイトで離婚や養育費に関するコラムが多く見られる場合は、事務所の方針が離婚・養育費トラブルに特化している可能性があります。

解決実績が豊富

弁護士や法律事務所の実績チェックも必要です。

公式サイトを参考に、養育費トラブルの解決実績や解決事例を確認しましょう。

規模の大きな事務所の場合、担当してくれる弁護士が実績を出している弁護士とは限りません。

法律相談を利用して、質問に対してわかりやすく的確な回答をしてくれるか、直接チェックするのもひとつの方法です。

対応がスムーズ

養育費のトラブルには、早急な対応が必要です。

養育費の未払いは生活の困窮に直結するだけでなく、先述のとおり、養育費の請求権には時効もあります。

養育費トラブルに特化している弁護士なら、こうした事情や重要性を熟知しています。

依頼したら即座に対応してくれる弁護士か、法律相談を利用して確認しましょう。

相手方の対応に応じた解決方法を提案してくれる

養育費トラブルにはさまざまなパターンがあり、それぞれのケースに対し最適な解決方法を提案してくれる弁護士を選ぶことが大切です。

養育費トラブルは一度決着してからも、相手方の生活環境や経済状況・子どもの年齢や進学状況によって、養育費の減額や増額といった問題が新たに起こることもあります。

あらゆるケースに対応実績のある弁護士を探しましょう。

親身に相談にのってくれる

全ての案件についていえることですが、親身に話を聞いてくれる弁護士を選ぶのが基本です。

離婚・養育費トラブルを抱えている方は、精神的にも経済的にも辛い状況にあります。

相談者の気持ちに寄り添い、相手方との交渉や調停を有利に進めてくれる、人間性豊かな弁護士に依頼するのが理想です。

法律相談をいくつか利用し、親身に相談にのってくれる弁護士との出会いを目指しましょう。

まとめ|養育費のトラブルは自分で進めずに弁護士に相談

養育費のトラブルは、当事者間で進めてしまうケースも多いです。

しかし、当事者間で合意まで進んでしまうと、あとになってトラブルに発展する可能性があります。

また、適切な養育費を請求できなかった場合、離婚後の生活が困窮してしまうかもしれません。

このようなトラブルを避けるためには、養育費トラブルに特化している弁護士に依頼すべきです。

今後の子どもとの生活を守るためにも、弁護士への相談を検討してください。

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