配偶者などから慰謝料請求されたらどうする?検討すべき事項・対処法

配偶者や、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求された場合、受け入れて支払うか争うかの選択を迫られます。

今後の対応を適切に行うためには、慰謝料請求の法的根拠を確認・検討する必要があります。慰謝料の発生要件・裁判例を踏まえた金額相場など、多角的に請求の当否を検討したうえで対応しましょう。その際、弁護士のアドバイス・サポートを受けることが有益です。

今回は、配偶者などから慰謝料を請求された場合に検討すべき事項・対処法などについて解説します。

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配偶者から慰謝料請求を受ける主な理由

配偶者から慰謝料請求を受けた場合、配偶者は離婚を視野に入れている可能性が高いです。まずはどのような理由で慰謝料請求が行われているのかを把握して、配偶者の主張内容に応じた反論を検討しましょう。

慰謝料請求権は不法行為(民法709条)に基づいて発生するため、配偶者は不法行為に該当する何らかの事情を理由に、慰謝料を請求していると考えられます。配偶者から慰謝料請求を受ける主な理由は、以下のとおりです。

不貞行為(不倫)

「不貞行為」とは、配偶者以外の者と性交渉を行うことを意味します。一般的には「不倫」とも呼ばれます。

不貞行為は法定離婚事由の一つとされており(民法770条1項1号)、夫婦の貞操義務に反する違法行為です。したがって、不貞行為によって配偶者が被った精神的損害は、慰謝料請求の対象となります。

DV(暴力)

配偶者に対して暴力を振るう「DV(ドメスティック・バイオレンス)」は、暴行罪(刑法208条)や傷害罪(刑法204条)に該当する犯罪行為です。

DVの事実が認められる場合、配偶者が被った精神的損害に対する慰謝料のほか、ケガの治療費等も不法行為に基づく損害賠償請求の対象となります。

モラハラ(侮辱など)

配偶者に対して精神的な攻撃を加える「モラハラ(モラル・ハラスメント)」も、不法行為に基づく慰謝料請求の対象になり得ます。モラハラのパターンはさまざまですが、典型的には無視・暴言・侮辱などが例に挙げられます。

モラハラについては、侮辱罪(刑法231条)などの犯罪が成立する可能性があります。仮に犯罪が成立しないとしても、夫婦の婚姻関係を破綻に導く違法行為と評価すべきです。

したがってモラハラの事実が認められる場合、配偶者が被った精神的損害に対する慰謝料のほか、精神疾患の治療費等も損害賠償請求の対象となります。

悪意の遺棄

「悪意の遺棄」とは、積極的に婚姻共同生活の継続を廃絶することを企図または認容して(悪意)、正当な理由なく同居義務および協力扶助義務を履行しないこと(遺棄)を意味します(新潟地裁昭和36年4月14日判決参照)。具体的には、以下のような行為が悪意の遺棄に該当します。

  • 配偶者に無断で長期間別居する行為
  • 正当な理由なく配偶者を家から閉め出す行為
  • 生活費を全く支払わない行為 など

悪意の遺棄は法定離婚事由の一つとされており(民法770条1項2号)、夫婦間の同居義務および協力扶助義務に反する違法行為です。したがって、悪意の遺棄によって配偶者が被った精神的損害は、慰謝料請求の対象となります。

合理的な理由のない、長期間にわたる性交渉の拒否

性交渉をするかどうかは、本来各人が自由に決めるべき事柄です。

しかし、婚姻関係にある夫婦同士は、貞操義務によって配偶者以外との性交渉を禁止されます。また、性交渉を通じて子どもを設けることは、婚姻関係における重要な要素と考えられます。

上記の各点を考慮して、合理的な理由なく長期間にわたって性交渉を拒否することは、配偶者との関係で不法行為を構成し、慰謝料請求の対象となる場合があります。

不貞行為の場合、不倫相手の配偶者からも慰謝料を請求される可能性あり

慰謝料請求の原因が、既婚者である不倫相手との不貞行為の場合、不倫相手の配偶者からも慰謝料請求を受ける可能性があります。この場合、配偶者及び不倫相手の配偶者の2人から慰謝料請求を受けることになり、多大な経済的負担を強いられるので要注意です。

なお、不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受けた場合、客観的に発生した精神的損害の全額を賠償しなければなりません(不真正連帯債務)。ただし、ご自身と不倫相手の内部的な負担割合に応じて、後日不倫相手に対する求償を行うことができます。

慰謝料請求権の発生要件

慰謝料請求権は、不法行為の成立要件を満たした場合に発生します。具体的には、以下の要件をいずれも満たすことが必要です。

加害者の行為に違法性があること

不法行為に基づく慰謝料請求権の発生には、加害者の行為に違法性が認められることが必要になります。

配偶者から慰謝料請求を受ける主な理由として先に列挙した行為は、いずれも違法性が認められるものです。それ以外にも、配偶者に対する何らかの違法行為が存在する場合には、慰謝料の支払い義務を負う可能性があります。

加害者に故意または過失があること

違法行為が認められるとしても、加害者側に故意・過失のいずれも認められなければ、不法行為に基づく慰謝料請求権は発生しません。「故意」とは意図的であること、「過失」とは注意を怠り、結果を回避すべきであったのに回避しなかったことを意味します。

配偶者から慰謝料請求を受ける主な理由として先に列挙した行為は、いずれも意図的に行われるものであり、加害者の故意が認められます。それ以外にも、故意または過失によって違法行為を犯した場合には、慰謝料の支払い義務を負う可能性があります。

被害者に精神的損害が発生したこと

不法行為に基づく慰謝料請求の対象は、加害者の故意または過失による違法行為によって生じた、被害者の精神的損害の実額です。

ただし精神的損害は実際の支出を伴わないため、不法行為の悪質性などを考慮したうえで、金銭的な評価を行います。そのため、慰謝料請求の原因である不法行為の内容によって、慰謝料の金額には幅が生じることになります。

以上のように慰謝料はその内容や程度によって大きな幅が生じます。適正な条件で解決するには、弁護士のサポートを得るのが有効です。


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原因別|慰謝料の金額相場・金額を左右する考慮要素

不法行為に基づく慰謝料の金額は、個別の事情を総合的に考慮したうえで決定されます。特に、不法行為が原因で夫婦が離婚に至る場合、慰謝料が高額になる可能性が高いです。

以下は一定の目安に過ぎませんが、配偶者に支払うべき慰謝料の金額相場と金額を左右する考慮要素を、原因となる行為ごとに見ていきましょう。

不貞行為の慰謝料相場

不貞行為を原因とする慰謝料は、離婚しない場合は50万円~200万円程度、離婚する場合は100万円~300万円程度が目安となります。

<不貞行為の慰謝料額を左右する考慮要素>

  • 不貞行為の累計回数
  • 不倫相手に対する経済的利益の供与の有無、金額
  • 不貞行為をきっかけとする別居の有無
  • 不貞行為を自発的に申告したかどうか
  • 不貞行為をやめたかどうか
  • 不貞行為についての反省の有無
  • 不貞行為当時の婚姻関係の状態、破綻の有無

(離婚する場合)

  • 婚姻期間の長短
  • 未成熟の子どもの有無 など

DVの慰謝料相場

DVを原因とする慰謝料は、50万円~300万円程度が目安となります。

<DVの慰謝料額を左右する考慮要素>

  • 暴力の激しさの程度
  • 暴力の頻度
  • 暴力が振るわれた期間
  • 被害者の受傷状況
  • 被害者がケガの治療に要した期間、費用
  • 暴力についての反省の有無

(離婚する場合)

  • 婚姻期間の長短
  • 未成熟の子どもの有無  など

モラハラの慰謝料相場

モラハラを原因とする慰謝料は、50万円~250万円程度が目安となります。

<モラハラの慰謝料額を左右する考慮要素>

  • 精神的攻撃の激しさの程度
  • 精神的攻撃の頻度
  • 精神的攻撃が行われた期間
  • 被害者が精神疾患を発症したかどうか
  • 被害者の精神疾患の治療に要した期間、費用
  • 精神的攻撃についての反省の有無

(離婚する場合)

  • 婚姻期間の長短
  • 未成熟の子どもの有無 など

悪意の遺棄の慰謝料相場

悪意の遺棄を原因とする慰謝料は、50万円~300万円程度が目安となります。

<悪意の遺棄の慰謝料額を左右する考慮要素>

  • 生活費の不払いや無断別居の期間
  • 被害者が陥った経済的苦境の程度
  • 悪意の遺棄についての反省の有無

(離婚する場合)

  • 婚姻期間の長短
  • 未成熟の子どもの有無 など

性交渉の拒否の慰謝料相場

合理的な理由のない性交渉拒否を原因とする慰謝料は、50万円~150万円程度が目安となります。ただし、相手が不貞行為をしている場合には、300万円程度まで慰謝料が増額されることがあります。

<性交渉の拒否の慰謝料額を左右する考慮要素>

  • 性交渉を拒否していた期間
  • 性交渉の再開に関する相談、協議の有無
  • 子どもを設けることに関する相談、協議の有無

(離婚する場合)

  • 婚姻期間の長短 など

慰謝料請求を受けた際に検討すべき事項

配偶者(または不倫相手の配偶者)から慰謝料請求を受けた場合、今後の対応方針を決めるため、検討すべき事項がたくさんあります。具体的には、以下の事項について早めに検討しておきましょう。

慰謝料請求の要件を満たしているか

ご自身の行為が不法行為の要件を満たしていれば、金額の多少はあれども、慰謝料を支払う義務を負うことになります。反対に、不法行為の要件が満たされていなければ、慰謝料を支払う必要はありません。

慰謝料を支払う方向での和解を目指すのか、それとも慰謝料の支払い義務自体を争うのかを決めるため、まずは不法行為の要件を満たしているかどうかを検討しましょう。

なお不法行為の要件を満たしているとしても、慰謝料請求権の消滅時効が完成している場合には、時効の援用によって慰謝料の支払い義務が消滅します。慰謝料請求権の消滅時効は、以下のいずれかの期間が経過した段階で完成します。

  1.  被害者が損害および加害者を知った時から3年
  2.  不法行為の時から20年

被害者が指摘する不法行為から時間が経っている場合には、念のため、消滅時効の援用ができないかについても検討しておきましょう。

裁判例などに照らして、請求額は適正か

不法行為が成立するとしても、相手の言い値で慰謝料を支払うべきとは限りません。客観的に妥当な金額に比べて、請求額が高すぎる可能性もあります。

適正な慰謝料額を求めるには、裁判例を分析することが役立ちます。ご自身の状況に似た事案の裁判例を複数参照して、相手の請求額が適正な水準であるかどうかを確認しましょう。

相手が証拠を持っているか

慰謝料請求を訴訟で争うことを視野に入れる場合、相手が不法行為の十分な証拠を持っているかどうかも重要なポイントです。

相手が証拠を揃えている場合は、訴訟になると分が悪いため、ある程度の慰謝料を支払って早期に和解を目指すべきでしょう。反対に、相手が持っている証拠が乏しい場合には、強気な方針で慰謝料請求の交渉に臨むことも考えられます。

実際に慰謝料を支払えるか

慰謝料の支払い義務を受け入れる場合や、訴訟で慰謝料請求が認められてしまった場合には、実際にその金額の慰謝料を支払えるかどうかも問題になります。

確定した慰謝料が支払えないと、最終的には強制執行により、大切な財産を失ってしまう事態になりかねません。慰謝料を支払う公算が強くなった段階で、弁済資金を確保する方法についても検討しておきましょう。

離婚請求を受けている場合、法定離婚事由の有無・離婚条件

配偶者から慰謝料請求を受ける場合、同時に離婚請求も受けるケースが多いです。

配偶者に対する不法行為が成立するケースでは、法定離婚事由も認められることが多く、最終的に離婚を受け入れざるを得ない可能性が高いでしょう。この場合、財産分与や子に関する事項など、離婚条件をどのように取り決めるかが焦点となります。

これに対して、不法行為の要件を満たさないケースでは、法定離婚事由も認められない可能性が高いです。この場合、配偶者の希望を受け入れて離婚するのか、それとも離婚を拒否して争うのかが大きな分岐点となります。

いずれにしても、離婚請求に対してどのように対応するかを、慰謝料請求への対応方針と併せて検討しておきましょう。

弁護士に対応を依頼するか否か、どの弁護士に依頼するか

上記のとおり、配偶者(または不倫相手の配偶者)からの慰謝料請求や離婚請求に対しては、専門性を要する検討事項がたくさんあります。

慰謝料請求や離婚請求に対して、漏れのない適切な検討・対応を行うためには、弁護士に依頼することがお勧めです。弁護士費用の支払いが発生することも考慮しつつ、弁護士に依頼するかどうかを早めに決めましょう。

弁護士に依頼することとした場合には、実際に依頼する弁護士を選定する必要があります。できれば複数の弁護士から話を聞き、知識や経験・対応の丁寧さ・費用などを総合的に考慮して、信頼できる弁護士にご依頼ください。


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離婚をする際に注意すべき、慰謝料以外の金銭請求

配偶者と離婚することになった場合には、慰謝料に加えて、以下の金銭の支払い義務が発生する可能性があります。収入や資産の金額によっては、支払いが非常に高額となる場合もあるので、弁護士と相談しながら対応を検討しましょう。

①財産分与 財産分与婚姻中に取得した夫婦の共有財産を、公平に分けます(民法768条1項)。金額が2分の1ずつ、またはそれに近い状態になるように財産分与を行うケースが多いです。
②婚姻費用 婚姻費用離婚前に別居期間がある場合、別居中の生活費等を精算します(民法760条)。婚姻費用の精算額を算出する際には、裁判所が公表している「婚姻費用算定表」が参考になります。
③養育費 養育費配偶者が子の親権者となる場合には、子の養育費の支払いが発生します。養育費の金額を算出する際には、裁判所が公表している「養育費算定表」が参考になります。ただし養育費算定表の金額には、私立学校の授業料・入学金や突発的な医療費などが含まれていないので、さらに多額の支払いが発生する可能性がある点に注意が必要です。

参考:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について|裁判所

まとめ

配偶者や不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受けた場合、不法行為の成立要件や慰謝料額の妥当性などを検討したうえで、どのように対応するかを早めに検討しましょう。

また、配偶者からは離婚を併せて請求される可能性が高いので、離婚を受け入れるかどうかや、離婚条件などについても検討する必要があります。

慰謝料請求や離婚請求に対応する際には、弁護士に依頼するのがお勧めです。

法律や裁判例を踏まえて適切に対応してもらえるほか、相手と直接顔を合わせて交渉する必要がなくなり、精神的な負担も軽減されます。

配偶者や不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受け、対処にお困りの方は、一度弁護士までご相談ください。

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