民事訴訟ってどうやって起こすの?民事訴訟の手続きと流れを完全ガイド|民事訴訟で出せる証拠の種類

民事訴訟の手続きと流れ

万が一のトラブルに巻き込まれ、当事者間での解決が図れない場合には、民事訴訟を起こされるリスクがあります。

そのようなリスクに備えるためにも、民事訴訟の手続きや一般的な流れ、証拠の種類などをしっかりと理解しておきましょう。

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民事訴訟とは

民事訴訟とは、財産(土地やお金のなど)、損害賠償、身分(夫婦や親子の関係など)等に関する、私人間の紛争を対象とした訴訟のことをいいます。

個人と個人、個人と民間企業など、国や地方自治体といった公権力以外の当事者による関係を民事と呼び、民法と民事訴訟法にもとづき訴訟が行われます。

「原告(訴える側の当事者)」が裁判所へ申し立てを行うことによって、訴訟がスタートします。

なお、訴えられる側の当事者のことを「被告」といいます。

これは刑事裁判とは異なり手続き上の問題なので、「被告」=「悪い」ということにはなりません。

民事訴訟の種類

通常訴訟

私人間に生じた法的な紛争のうち、主に財産に関する紛争を解決するための訴訟を「通常訴訟」と呼びます。

損害賠償の請求、未払い賃金の支払い請求、不動産の明け渡しなどを、具体例としてあげることができます。

手形小切手訴訟

財産に関わる紛争ではありますが、民事訴訟法の特別の規定によって手形や小切手金の支払いを求める訴訟を「手形小切手訴訟」と呼び、通常訴訟とは異なるものとして取り扱います。

判決を早く言い渡すことを目的とし、証拠も書証と当事者への尋問だけに限られます。

とはいえ、当事者は最初から通常訴訟を選択することもできますし、いったん手形小切手訴訟を経た後で、通常訴訟での再審理を求める機会も保証されています。

少額訴訟

60万円以下の支払いを求める紛争に限り、「少額訴訟」という特別な手続きを利用することができます。

原則として、1回の期日で審理を終え、判決を出すことになります。

したがって、提出できる証拠も審理の日にその場で調べることができるものだけに限られます。

通常訴訟と同じく判決前に和解することもできますが、判決に異議があっても控訴することはできず、異議の申し立てだけに限られている点が特徴です。

その他の訴訟

上記以外の訴訟としては、離婚や認知の訴えなど家族関係に関わる紛争を対象とした「人事訴訟」、公権力の行為にあたる行政庁の行為に対して取り消しを求める「行政訴訟」があります。

民事訴訟と民事調停の違い

民事訴訟と似て非なるものに、「民事調停」という紛争解決の手続きがあります。

民事調停とは、裁判官と一般人から選ばれた調停委員が調停委員会を構成し、双方の当事者に対して合意をあっせんするという方法をとります。

当事者間の話し合いにより、妥当な範囲で紛争を解決することを目的とした手続きです。

民事訴訟の手続きと流れ

ここでは、民事訴訟の一般的な流れについて見ていくことにします。

紛争の内容が複雑で解決に時間がかかる場合には、期日が多く設定される可能性もあります。

訴えを起こすところから解決に至るまで、一連のステップを理解しましょう。

①訴えの提起

民事訴訟は、原告(または、その代理人である弁護士)が裁判所に対して訴訟を提起することによってスタートします。

具体的には、訴状、証拠、証拠説明書、委任状、収入印紙などの必要な書類等を提出します。

②訴状の受領

提出した書類等の内容に不備がなければ、訴状が正式に受領されることになります。

裁判所が原告(または、その代理人である弁護士)の意見を聴いたうえで第1回目の口頭弁論期日を指定します。

通常は訴訟提起から1か月前後で指定されます。

③第1回口頭弁論期日の指定・呼び出し

受領した訴状等を裁判所が相手方に送付し、第1回口頭弁論期日に裁判所へ出廷するよう呼び出しを行います。

被告(または、その代理人である弁護士)の都合が悪い場合の対応については、④第1回口頭弁論期日をご参照ください。

④答弁書の提出

第1回口頭弁論期日への呼び出しと合わせて、被告(または、その代理人である弁護士)には、答弁書の提出が求められます。

原告の請求の趣旨に対して「請求を棄却する」などの認否や被告の主張などを、答弁書に記載のうえ裁判所へ提出します。

④第1回口頭弁論期日

訴状の陳述(原告)

原告側は、提出した訴状の内容について陳述を行います。

答弁書の陳述(被告)

被告側は、提出した答弁書の内容について陳述を行います。

第1回口頭弁論期日に被告(または、その代理人である弁護士)の都合が悪い場合には、答弁書を提出しておくことによって、欠席しても陳述したものと見なされます(このことを「擬制陳述」と呼びます)。

したがって、第1回口頭弁論期日のうちに訴状と答弁書、双方の陳述を終えることができます。

なお、第2回以降の口頭弁論期日については、各期日の終わりに当事者間で協議のうえ設定することになります。

証拠調べ

必要に応じ、双方当事者が提出した証拠についての確認を行います。

⑤第2回以降の口頭弁論期日

準備書面の陳述と内容確認

双方の当事者が自らの主張等を準備書面の形で陳述します。

そのうえで、不明な点などを互いに確認していきます。

裁判所から次回の準備書面で説明すべき項目を指示される場合もあります。

証拠調べ

期日の進行に応じて、双方当事者が提出した証拠を詳しく調べていくことになります。

なお、訴訟手続きにおいて証拠は非常に重要なものであり、次項「民事訴訟で証拠となるものと証明責任」のところで詳しくお伝えします。

争点整理

期日の進行に伴い、双方当事者の主張や認識の相違=争点が次第に絞り込まれていきます。

その場合、裁判所主導で争点整理の手続きを行います。

この手続きの意味は、いくつもある争点を真に争うべきものだけに整理することによって、今後の訴訟方針を明確化するところにあるといえます。

⑥和解の検討

整理された争点にもとづく証拠調べが一段落すると、紛争の解決に向けて和解を検討することになります。

和解には、裁判所が関与した状態で行う訴訟上の和解と、双方当事者間だけで行う訴外の和解の2つの種類があります。

和解が成立することによって訴訟手続きは終了することになります。

⑦判決

和解が成立しなかった場合、口頭弁論期日の終結時に判決期日が指定されます。

最終の口頭弁論期日から2ヵ月後が、ひとつの目安とされています。

判決の言い渡しは公開で行われ、裁判官が主文だけを読み上げ理由は説明しません。

出席して直接判決内容を聞くこともできますが、実務上は言い渡し後に裁判所へ電話で確認するのが一般的です。

⑧控訴

控訴とは、第一審での判決内容に不服がある場合に、上級の裁判所にて改めて審理してもらったうえで、判決を求める手続きのことをいいます。

第一審が地方裁判所の場合には、高等裁判所へ控訴を申し立てます。

控訴を申し立てるためには、書面で判決の送達を受けた日から2週間以内に、控訴状を第一審の裁判所へ提出する必要があります。

さらに、控訴申し立て後50日以内に、控訴理由書を提出することが求められます。

⑨上告

上告とは、控訴審での判決内容に不服がある場合に、上級の裁判所にて改めて審理してもらったうえで、判決を求める手続きのことをいいます。

控訴審が高等裁判所の場合には、最高裁判所へ上告を行います。

控訴の場合と同じく判決の送達を受けた日から2週間以内に、控訴審の裁判所へ上告受理申立書を送付します。

さらに、裁判所から送付されてくる通知書の送達を受けた日から50日以内に、上告理由書ないし上告受理申立理由書を提出することが求められます。

民事訴訟で証拠となるものと証明責任

民事訴訟における判決の根拠は「事実」です。

争点に関する事柄を裁判所が事実として認定するためには、双方当事者が訴訟に提出した資料等から十分な確信を得る必要があります。

裁判官が確信をもって描いた事実の像を「心証」と呼び、心証を形成するまでのプロセスを「心証形成」と呼んでいます。

また、心証形成に向けて資料等を提出する行為のことを「証明(立証)」と呼び、そのために用いられる資料等を「証拠」と呼びます。

証明はすべて当事者に委ねられており、この証明責任を果たすことが何より重要となってきます。

ここでは、どのようなものが証拠となるのかを具体的に説明します。

書証

書証とは、当事者が書面の形で提出した証拠のことをいいます。

裁判官は書面に記載された内容および当事者からの補足説明によって心証を形成していくことになります。

実務上は、写真や図面なども含めて、書面で証拠を提出するのが一般的です。

検証

検証とは、実際に証拠に触れてみる、現場などを訪問し目視確認するなど、裁判官が自らの五感を用いて証拠の内容を確認するプロセスをいいます。

一般的な方法ではありませんが、裁判官が必要と判断した場合に実施されます。

証人尋問

証人尋問とは、法廷などの場で、証人に対して尋問(質疑応答)を実施することをいいます。

尋問そのものが証拠調べであり、受け答えの内容や態度などから、裁判官は心証を形成していくことになります。

なお、尋問は3つのパートから構成されており、証人を申請した側の代理人弁護士が行う「主尋問」、申請された側の代理人弁護士が行う「反対尋問」、そして裁判官が直接行う「裁判官尋問」の順で行われることになります。

当事者尋問(本人尋問)

当事者尋問とは、原告・被告本人に対して行う尋問であり、本人尋問とも呼ばれます。

証人尋問と構成は同じで、自分の代理人弁護士が行う「主尋問」、相手の代理人弁護士が行う「反対尋問」、そして裁判官が直接行う「裁判官尋問」の順で行われます。

それまでの証拠調べを通じて形成した心証の確かさを、裁判官が最終的に検証する場面といえます。

鑑定

鑑定とは、高度な専門性を必要とする判断の際に、裁判所が指定する学識経験者や該当する分野の専門家等を起用し、裁判官が判断するために必要な材料を提供してもらう手続きのことをいいます。

提出される材料としては、意見書や鑑定書といったものをあげることができます。

鑑定を行った人を証人として申請し、尋問を行う場合もあります。

民事訴訟にかかる裁判費用相場

裁判費用とは、弁護士に支払う弁護士費用や、裁判所に支払う手数料(印紙代)などの実費を含む、すべての費用の総称です。

弁護士費用については次項で詳しく見ていきますが、訴訟を乱発させないために、訴訟を提起する際には手数料が必要になること、支払いを求める金額に比例して高くなり、控訴審では一審の1.5倍、上告の際は2倍になることを理解しておく必要があります。

一審で請求額1000万円の場合、手数料は5万円となります。

詳細は裁判所のホームページにて確認することができます。

民事訴訟を弁護士に依頼するメリットと弁護士費用相場

訴訟は当事者本人が対応することもできます(その場合を本人訴訟と呼んでいます)。

ですが、裁判官の心証を得るためには、専門家の知見が必要になってきます。

民事訴訟を専門家である弁護士へ委任する際には一定の費用がかかりますが、弁護士費用を負担するだけのメリットと相場についての理解があれば、判断に迷うことがありません。

ここでは、弁護士に依頼するメリットと弁護士費用の相場について見ていくことにします。

精神的・身体的な労力の軽減

自分で訴訟を行うとなれば、精神的・身体的に多くの労力が必要とされます。

複雑な訴訟の場合、期日が10回を超えることも決して珍しくはありません。

そのたびに準備書面を作成し、証拠を提出し、毎回出廷して相手の弁護士とやり取りする、といった場面を想像しただけで、気が遠くなるというのが正直なところです。

弁護士に委任することで、このような負担をかけることなく、訴訟手続きを進めていくことができます。

法的に適切な手続きを行ってくれる

たとえば、自分に有利な証拠を集めたいという気持ちが強すぎれば、「少々危ない橋を渡ってでも……」という誘惑にかられる危険性が高まります。

不適切な方法で集められた証拠には証拠としての能力がなく、証拠提出にかぎらず、すべての訴訟手続きは法的に適切な形で行われる必要があります。

それらをすべて自分で判断するのは不可能です。

だからこそ弁護士に委任し、法的に適切な形で手続きを進めていくことが大切なのです。

問題の解決が見込める

法的に適切な形で手続きを進めることはもちろんですが、自らの主張を裁判官に汲んでもらい、確かな心証を形成するためには、弁護士に十分な形でスキルを発揮してもらう必要があります。

弁護士に支払う費用は決して小さくありませんが、問題を解決する。

しかも、自分が望んだ形で解決する。

そのようなゴールに近づくためには、弁護士への委任が必要不可欠であるといえます。

弁護士費用の相場

弁護士費用は、事案の種類や請求する金額によって大きくことなります。

以前は日本弁護士連合会が弁護士費用の基準を設けていましたが、現在は廃止されています。

それでも、かつての基準を参考にしている弁護士は今でも多く、以下に概要を記載します。

経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下の場合 経済的利益の8% 経済的利益の16%
300万円を超えて3000万円以下の場合 経済的利益の5%+9万円 経済的利益の10%+18万円
3000万円を超えて3億円以下の場合 経済的利益の3%+69万円 経済的利益の6%+138万円
3億円を超える場合 経済的利益の2%+369万円 経済的利益の4%+738万円

経済的利益とは、訴訟を提起することによって得られる金額のことです。

おおむね請求額に同じですが、適正な範囲を明らかに超えている場合には、適正な水準で認定することになります。

とはいえ、最近では弁護士事務所によって考え方も大きく異なり、着手金を5万円程度に抑え成功報酬を多く設定する、または完全成功報酬といったパターンも出てきています。

依頼を検討する際には、必ず弁護士事務所へ直接確認してください。

最後に|万が一に備えて弁護士費用保険という選択肢

トラブルはないに越したことはありませんが、こちらが望まなくても巻き込まれる可能性はゼロではありません。

当事者間での解決が実現せず、訴訟に持ち込まれてしまった場合には、弁護士費用を負担できなければ泣き寝入りする以外に方法はありません。

そのような事態を絶対に避けるためにも、万が一の場合に備えて弁護士費用保険への加入をお勧めします。

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