親権について弁護士に無料相談できる窓口｜弁護士に相談したほうがいいケースも解説

離婚するにあたり、親権の獲得を強く希望するなら弁護士に早めに相談することをおすすめします。しかし、まずは無料で相談してみたいという方もいるでしょう。

親権問題について、弁護士に無料で相談できる窓口はいくつかあります。中には夜遅い時間まで営業しているところや、電話相談に対応しているところ、経済的な理由で弁護士への依頼は難しいという方でも利用できる窓口などがあるので、自分が利用しやすいところを探してみるとよいでしょう。

この記事では、弁護士に無料相談できる窓口を紹介するほか、親権問題を弁護士に相談するメリット、相談すべきタイミング、相談前に知っておくべき注意点などについて解説します。

親権問題について弁護士に無料相談できる相談窓口

親権獲得について弁護士に無料で相談できる窓口には以下のようなところがあります。

ベンナビ離婚｜24時間・電話OKの弁護士をお探しの方

ベンナビ離婚は、親権問題をはじめ、離婚に関する問題に注力している全国の弁護士が掲載されているサイトです。

相談内容とお住いの地域で絞り込めるので、近くの親権問題を得意とする弁護士を探しやすいでしょう。初回無料で相談にのってくれる法律事務所も多くあります。

また、24時間相談を受け付けていたり、電話相談やオンライン相談をおこなっていたりする事務所もあるので、勤めに出ているために昼間は都合がつかなかったり、子どもが小さく外出が難しかったりする方も利用しやすいでしょう。

また、無料相談後に親権問題の解決を弁護士に任せたいと思った場合には、そのまま依頼することも可能です。

法テラス｜経済的な理由で費用を抑えたい方

法テラスとは国が設立した、法的トラブルを解決するための総合案内所です。誰もが平等にリーガルサービスを受けられることを目的としており、経済的に厳しい方は無料で弁護士に相談できたり、弁護士費用を立て替えてもらえたりします。

全国に設置されているので、近くの窓口に問い合わせのうえ利用するとよいでしょう。詳しい利用方法については公式ホームページを確認してください。

【参考】法テラス ホームページ

弁護士会の法律相談センター｜とりあえず弁護士に相談したい方

各都道府県の弁護士会が運営しており、ネットや電話で予約すれば弁護士に相談できます。

相談内容によっては30分無料で法律相談をおこなっているところもありますが、有料のところも多いので、ホームページなどを確認のうえ利用しましょう。

お住いの地域の法律相談センターは下記ホームページから調べられます。

また、弁護士会の法律相談センターでは離婚問題に限らず、さまざまな問題に対応しているため、担当する弁護士が親権や離婚問題に注力しているとは限らない点には注意しましょう。

【参考】日本弁護士連合会｜全国の法律相談センター

都内の相談窓口一覧

東京都内には下記17カ所の法律相談センターがあります。

四谷法律相談センター	霞が関法律相談センター	池袋法律相談センター
池袋デパート相談（西武）	池袋デパート相談（東武）	新宿総合法律相談センター
渋谷法律相談センター	渋谷デパート相談（西武）	北千住法律相談センター
錦糸町法律相談センター	蒲田法律相談センター	立川法律相談センター
八王子法律相談センター	町田法律相談センター	小笠原法律相談センター
大島法律相談センター	三宅島法律相談センター

市区町村の無料法律相談｜親権全般について相談したい方

市区町村でも弁護士による無料の法律相談をおこなっています。ただし、実施日時が限られているため、急を要する場合には向きません。

利用には予約が必要なので、各自治体のホームページなどを確認し、自治体が指定する方法で予約しましょう。

また、対応してくれる弁護士が親権や離婚問題に注力しているとは限りません。

そのため、具体的な解決方法を相談するというより、親権全般について知りたい場合に利用するのがよいでしょう。

その他の相談窓口｜親権についてとにかく話を聞いてほしい方

親権について相談できる窓口はほかにもあります。ただし、相談員は弁護士でないため、親権獲得に向けた具体的な手順を相談するというより、不安や悩みなどを誰かに聞いてほしい場合に利用するのがおすすめです。

NPO法人よつば｜9時～19時まで電話相談対応可

配偶者の浮気や不倫、離婚問題を中心に夫婦の問題を幅広く相談できる窓口です。電話やメールで相談でき、問題解決まで専門のカウンセラーが丁寧に寄り添ってくれるので、つらい気持ちを抱えている方は利用するとよいでしょう。ボランティアで運営されているため、相談料は完全無料です。

【参考】NPO法人よつば　ホームページ

親権獲得を弁護士に相談・依頼するメリット5つ

確実に親権を獲得したいなら、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。弁護士に依頼すれば下記のようなメリットがあります。

相手との親権・養育費の交渉を有利に進められる

弁護士に相談すれば、親権や養育費の交渉におけるポイントや獲得に向けた対策などを教えてもらえます。

特に親権問題に精通した弁護士であれば、経験が豊富な分、相談者の事例に応じて、有効かつ具体的なアドバイスをしてくれるでしょう。

何の策も講じず交渉に臨むより希望どおりの結果を得やすくなります。

調停や訴訟といった法的手続を代理でおこなってもらえる

当事者同士での交渉が上手くいかなければ、調停、審判、訴訟などの裁判所での手続を利用することになります。

裁判所での手続は自分でもおこなえますが、申立書や訴状、主張書面や準備書面など作成すべき書類が多いうえ、法律に即した主張をしなければなりません。

そのため、専門知識を備えていなければ、それらの法的手続にはかなりの労力が必要となるでしょう。

弁護士に依頼すれば、法的手続を全て代理でおこなってもらえます。書類作成はもちろん、裁判官や調停委員にも法律的観点から効果的に主張をしてもらえるでしょう。

弁護士に依頼することで、相談者の負担は軽くなるうえ、親権を獲得できる可能性が高まるのです。

親権を獲得するための証拠集めのアドバイスがもらえる

特に裁判所での手続を利用する際は、自分の主張内容の正当性を証明するための証拠の有無が重要となります。

親権を獲得するには、自分が普段から子どもの面倒を見ているという事実を証明できる証拠の準備が不可欠です。

弁護士に相談すれば、証拠集めのアドバイスももらえます。

弁護士の指導の下、証拠を準備しておけば、親権獲得の際に有利に働く可能性も高いでしょう。

親権獲得後のトラブル防止につながる

親権を獲得し、離婚したあとであってもトラブルは起こることがあります。

離婚後、しばらくしてから相手方が養育費を支払ってくれなくなったといった事例もよく聞きます。

弁護士に相談しておけば、離婚協議書を公正証書にするなど、そのような事態に備えた解決方法も提案してもらえます。離婚後に起こり得るトラブルを未然に防げるので、安心して生活できるでしょう。

親権を獲得できない場合でも面会交流や監護権を獲得しやすくなる

面会交流とは、離れて暮らす親と子どもが定期的に面会したり、メールや手紙などでメッセージの交換などをしたりして交流することで、監護権とは、子どもの世話や教育をおこなう権利のことをいいます。

弁護士に依頼すれば、親権を獲得できなかったとしても、少しでも子どもと接する機会を増やせるよう動いてもらえるでしょう。

親権問題を弁護士に無料相談すべき人とタイミング

親権問題を抱えているものの弁護士へ相談すべきなのか、またどのタイミングで相談するのがベストなのかわからないという方もいるでしょう。

ここでは、弁護士に相談すべきケースやタイミングを紹介します。

紹介するのはあくまで代表的なケースで、確実に親権を獲得したいなら、できる限り速やかに弁護士に相談するのが望ましいといえます。

どんな場合でも、離婚を考えたらすぐに相談するくらいの心づもりでいる方がよいでしょう。

相手が子どもを連れて別居してしまったとき

親権者を決める手続では、子どもの利益が最優先に考えられます。

両親が別居している場合、子どもは一緒に住んでいる方の親との生活になじんでいると考えられます。

また、何度も環境を変えるのは子どもにとってよくないとも考えられます。

これらを理由に、継続して子どもと同居している方の親に優先して親権を与えるべきという考え方があります。

このような考え方によると、別居している方の親は親権獲得において不利になってしまう可能性があります。

相手が子どもを連れて別居した場合は早急に弁護士に相談しましょう。

相手のモラハラ・DVに悩まされている場合

相手のモラハラやDVに苦しめられ、相手とまともに話し合いができないなら、弁護士に依頼して代わりに交渉してもらうことをおすすめします。

自分に代わっておこなうべき主張をしてもらえますし、弁護士が相手であれば、相手も冷静に対応する可能性が高まるでしょう。

父親が親権を獲得したい場合

特に裁判所での手続に至った場合、父親が親権を獲得できる可能性は非常に低いのが実情です。

裁判所が毎年公表している司法統計によると、令和3年度に親権者を定めた離婚調停や審判19,915件のうち、父親が親権を獲得したのはわずか1,795件と全体の10%にも届いていません。

そのため、父親が親権を獲得したい場合は、弁護士に依頼して、親権獲得に向けた法的主張をしてもらうことをおすすめします。

【参考】令和３年度司法統計 「第23表『離婚』の調停成立又は調停に代わる審判事件のうち『子の親権者の定め』をすべき件数」

父親が親権を獲得しにくい理由

父親が親権を獲得しにくい理由としては、日常的に母親が子どもの面倒をみているケースが圧倒的に多いことが挙げられます。

母親に比べると父親は子どもとの関わりが少ないケースが多いため、父親は親権を獲得しにくいのです。

家庭裁判所における実務としては、よほどの事情がない限り父親に親権は認められないのが実情です。

親権獲得に際して、自分に不利な事情がある

虐待や育児放棄など親権獲得に不利となるような行為が過去にあった場合、親権者として不適格と判断される可能性が高いでしょう。

弁護士に相談し、親権獲得に向けたアドバイスをもらうべきでしょう。

親権問題の無料相談の前に！事前に準備すべきものや注意点

無料相談を利用するなら、できるだけ有益なアドバイスをもらいたいものです。そのためには事前に準備をしたり、心得を知っておいたりすることが大切といえます。

ここでは、無料相談を利用する前におこなうべき準備と注意点について紹介します。

質問したいことや聞きたいことの優先度を決めておく

無料相談の時間は限られており、ほとんどの場合30分程度しかありません。段取りよく話さなければ、結局何も得られないまま終わってしまう可能性が高いでしょう。

弁護士に相談する前に、何を知りたいのかよく考え、質問事項の優先順位を決めておきましょう。メモを作り、確認しながら相談するのもおすすめです。

嘘はNG！親権獲得に不利な事情があっても正直に話す

虐待や育児放棄など、親権の獲得に不利に働きそうなことこそ弁護士に話しましょう。

その内容に応じて準備すべきことが異なってきますし、アドバイスも変わるからです。

裁判所での手続がある程度進んだ段階で嘘が発覚すると、弁護士が立てた策は全て覆り、一気に不利な状況に追い込まれる可能性がありますし、弁護士との信頼関係も崩れてしまいます。

弁護士に相談や依頼をするなら、言いにくい話であっても隠さず話すようにしましょう。

まとめ｜親権問題の無料相談はお早めに弁護士へ

親権を獲得したいなら、できるだけ早めに弁護士に相談することをおすすめします。

親権問題は何より子どもの利益を優先して考えられるものです。子どもの監護環境や養育状況が大きく影響するため、早めに弁護士に相談をし、対策を講じることが大切といえるでしょう。

また、親権問題を相談するなら、同じ弁護士でも親権問題の解決実績が豊富な弁護士に相談すべきです。ぜひ「ベンナビ離婚」を利用のうえ、お近くの親権問題に精通した弁護士に相談してください。