職場で上司からパワハラを受けていて、会社を辞めたいと思いながらもすぐに辞めることができず、心を削りながら働いている人は少なくありません。
パワハラに遭った場合は、まずパワハラ問題の相談に対応している公的機関に相談してみることをおすすめします。
基本的に無料で相談できますし、事態が解決に向かったり、新たな道が開けたりする可能性があります。
この記事では、パワハラ問題でよくある相談内容と、相談できる公的機関について詳しくご紹介いたします。
令和元年、労働局への相談は111万7,983件のうち、民事上の個別労働紛争の相談件数は26万6,535件、そのうちいじめや嫌がらせの件数が8万1,707件にものぼりました。
パワハラ問題に直面している場合には、弁護士に相談することをおすすめします。法的知識を有する弁護士に相談することによって、パワハラに対して効果的な行動をとれるでしょう。
パワハラ被害を受ける前にベンナビ弁護士保険に加入しておくと、実際に被害を受け弁護士に依頼する際に役立ちます。
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パワハラの種類とその割合
厚生労働省によるパワハラの実態調査によると、以下のようなパワハラの実態が分かりました。
- 「過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがある」と回答した人は全体の32.5%
- 「パワハラの現場を見たり相談を受けた」と回答した人は全体の30.1%
- 「パワハラをした、またはパワハラを指摘されたことがある」と回答した人は全体の11.7%
上記のことからパワハラは非常に身近な出来事だと言えますが、パワハラの中でもどのような相談が多いのかみていきましょう。
過去3年間に受けたパワハラの種類とその割合は次のようになっています。
精神的な攻撃:54.9%
- 「全員が閲覧できるノートに個人名を出され、何度も能力が低いと罵られた」
- 「存在そのものが会社の負債だと大声で言われた」
過大な要求:29.9%
- 「上席である自身の仕事を業務命令で割り振ってくる」
- 「絶対にできない仕事を管理者ならやるべきだと強制された」
人間関係からの切り離し:24.8%
- 「これまで参加していた会議から突然外された」
- 「他の人とは雑談をしているのに自分とは業務の話しかしない」
個の侵害:22.3%
- 「出身校や家庭の事情をしつこく聞かれ、答えないと総務に聞くと言われた」
- 「引っ越ししたことやおおまかな住所を大勢の前で言われた」
過小な要求:19.8%
- 「1日中掃除しかさせてもらえない日々があった」
- 「能力に見合わない簡単な仕事をずっとしているように言われた」
身体的な攻撃:6.1%
- 「カッターナイフで頭部を切られた」
- 「唾を吐かれたり、物を投げつけられたりした」
「精神的な攻撃」が約55%と一番多い結果となりました。
パワハラに該当する行為があった場合は、決して無理をせず、心が病んでしまう前に早めに相談することが大事です。
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パワハラに関する無料相談先
厚生労働省や全国労働組合総連合などは、パワハラに関する相談窓口を設置しています。
パワハラの悩みを無料で相談できる窓口とその連絡先について詳しくご紹介します。
労働基準監督署の総合労働相談コーナー
労働基準監督署の総合労働相談コーナーには、パワハラのほか嫌がらせ、いじめ、解雇、雇い止めなど様々な労働問題を相談できます。
多様な言語にも対応しているため、外国人労働者でも相談可能です。
専門の相談員による電話もしくは面談での労働相談のほか、助言・指導、あっせんを受けられます。
また、労働基準法違反の疑いがある場合は、行政指導ができる担当部署に取り次いでくれます。
そのため、外部機関から会社にパワハラをやめるように働きかけてほしい人に向いているでしょう。
労働相談センター
労働相談センターは全国労働組合総連合が運営する相談窓口です。
パワハラをはじめとする労働者への不当な要求や嫌がらせ行為の悩みを相談できます。
会社や上司にパワハラを認めさせる方法や法的な対処法などの情報提供などを受けられます。
労働組合は労働者の味方になって対応してくれるため、公的機関に相談することに心細さを感じる人におすすめです。
電話番号:0120-378-060(10:00~17:00土日祝除く)
労働条件相談ほっとライン
労働条件相談ほっとラインは、違法な時間外労働や賃金不払残業など、労働基準関係法令に関するトラブルを相談できる窓口です。
専門の相談員が法律や過去の判例を踏まえた相談対応や各関係機関の紹介を行います。
あくまでも、相談対応と各関係機関の紹介に限られるため、会社への指導などはできません。
匿名でも電話相談ができるため、絶対に外部に情報が漏れてほしくない人に向いています。
なお、パワハラについては基本的に別の専門窓口を紹介されます。
電話番号:0120-811-610(平日17:00~22:00、土日祝9:00~21:00、12月29日~1月3日を除く)
みんなの人権110番
みんなの人権110番は、パワハラや差別、虐待など様々な人権問題を相談できる窓口です。
最寄りの法務局・地方法務局に繋がり、法務局職員もしくは人権擁護委員に相談できます。
また、法務局・地方法務局、その支局に出向けば、面談での相談も可能です。
相談内容によっては、法務局職員もしくは人権擁護委員が調査を行い、必要に応じて人権侵害の救済措置をしてくれる場合があります。
人権について、より詳しい専門スタッフに相談したい人におすすめです。
電話番号:0570-003-110(8:30~17:15土日祝除く)
かいけつサポート
かいけつサポートは、法務大臣による裁判外紛争解決手続の認証を得た民間事業者を紹介するサービスです。
裁判外紛争解決手続(ADR)とは、当事者と利害関係がない第三者が両者の言い分を聞き、円滑で柔軟な和解解決を目指す手続きです。
このような手続きは民間事業者が行っている場合があり、事業者によって手続きの質が異なります。
そこで、紛争解決手続きを行う民間事業者の申請に基づき、法律に則った厳しい基準をクリアしているかを審査して、法務大臣が認証する制度を実施しています。
自分で相談相手を吟味して、慎重に解決へと進みたい人におすすめです。
法テラス
法テラス(日本司法支援センター)は、法的トラブルの解決を目的とした総合案内所です。
経済的な理由で弁護士に相談できない、専門家が近くにいないなど、パワハラ問題の解決にはさまざまな障害があります。
法テラスは、刑事・民事を問わず、誰でも法的トラブルの解決に必要な情報を入手でき、サービスの提供を受けられるように取り組んでいます。
例えば、相談内容の解決に役立つ相談機関や団体などの情報を無料で提供するほか、経済的に余裕がない方に対して無料で法律相談を行い、必要に応じて弁護士費用の立て替えをしています。
これにより、弁護士に相談したくてもできない、どうすれば解決に近づくのかわからないなどの悩みを解消できます。
経済的な問題で弁護士に相談できない方や、依頼費用を支払えるだけの資力がない人におすすめです。
電話番号:0570-078374(平日9:00~21:00、土曜日9:00~17:00)
こころの耳
こころの耳は、こころの不調や不安に悩む方への情報提供を行うメンタルヘルス・ポータルサイトです。
「働く方」、「ご家族の方」、「事業者・上司・同僚の方」、「支援する方」の4つに情報が分類され、それぞれに「相談する」、「知る・調べる」、「学ぶ・実践する」の3つのカテゴリがあります。
パワハラの悩みを電話やメール、LINEで相談できます。
また、サイト内には職場のストレスセルフチェックや疲労蓄積度セルフチェックなどのサービスもあるため、パワハラによる心身の負担を自己診断したい方は試してみてはいかがでしょうか。
電話番号:0120-565-455(月・火17:00~22:00、土日10:00~16:00祝日、年末年始は除く)
パワハラを相談する際の5つの流れ
パワハラの被害は、社内相談窓口や人事部に相談できます。
ただし、必ずしもパワハラ問題が解決するとは限らないため、外部機関への相談も検討しましょう。
パワハラを社内相談窓口や人事部に相談するときの流れを詳しくご紹介します。
1.パワハラの証拠を確保する
パワハラの被害を受けたことを証明できる証拠を確保しましょう。
ボイスレコーダーで暴言や人格否定の言動を録音したり、日報や日記、メモ書きなどにパワハラを受けた内容や時間、場所などを記録しておきます。
2.社内相談窓口や人事部に相談する
社内相談窓口や人事部を通じて上司と会社に、パワハラを受けている現状と、改善してほしい旨を伝えます。
ここで状況が改善する場合もあれば、会社側が不当に解雇してくる場合もあります。
いきなり会社に相談することを避けたいのであれば、先に外部機関に相談してもよいでしょう。
3.会社にパワハラの改善要求を書面で送付
上司と会社に相談しても取り合ってくれなかった場合は、簡易書留や内容証明郵便など郵送したことと相手が受け取ったことを証明できる方法で、パワハラの改善要求の書面を送付しましょう。
書面には、次の内容を盛り込みます。
- タイトル「パワーハラスメント差止要求書」
- パワハラを受けた時間、内容
- パワハラで受けた心身の障害
- パワハラを行った人物に対してパワハラの早急な中止と適切な指導・管理を求める旨
4.外部機関に相談する
外部機関に相談して、トラブル解決に必要な情報提供や、弁護士に依頼すべき内容か確認しましょう。
5.必要に応じて弁護士に依頼する
必要に応じて弁護士に依頼して、会社との話し合いを進めましょう。
話し合いや労働審判で解決しない場合は、民事訴訟を起こすことを検討してください。
「弁護士費用が不安」という方は、いざという時の弁護士費用をサポートしてくれる弁護士保険を活用するのも一つの手です。法的トラブルで泣き寝入りしないために、一度検討してみると良いでしょう。
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パワハラの相談前に準備しておくべきこと
パワハラの相談をする前に、次の情報をまとめておきましょう。
- パワハラ被害を受けた時間
- パワハラを行った人物とその立場
- パワハラを受けた場所
- パワハラの内容
- パワハラの影響で心身に生じた問題
- 証拠(ボイスレコーダー、日記、メモ書き、診断書など)
より詳しい情報を提供することで、相談がスムーズに進みます。
パワハラを今すぐどうにかしたい場合の対応
パワハラの解決には長い時間がかかります。
今すぐにでもパワハラをやめてほしい場合は、次のように対処しましょう。
相手にイヤなことを伝える
上司に直接パワハラをやめてほしい旨を伝えましょう。
上司がパワハラを自覚していない場合、はっきりと伝えることで状況が改善する可能性があります。
ただし、感情的に伝えると逆上したりパワハラがひどくなったりする恐れがあるため、冷静な態度で伝えることが大切です。
転職する
会社の仕事に打ち込んでいると、自分の居場所はここにしかないと思い込みがちです。
あなたを必要とする会社は他にもあるはずです。
つらい思いを押し込んで我慢していると、うつ病や胃潰瘍など心身にトラブルが起こる可能性があります。
そうなる前に転職して、自分の身を守ることが大切です。
最後に
パワハラ被害にあったら早めに誰かに相談しましょう。
パワハラ被害が自然になくなるケースはほとんどありません。
上司の性格が変わるか、上司が異動になればパワハラがなくなる可能性がありますが、時間が経つほどに事態が悪化して、心身に大きな不調をきたす恐れがあります。
そのため、パワハラ被害にあったら、できるだけ早く会社や外部機関に相談することが大切です。
今回ご紹介した外部機関は、いずれも相談料が無料で名前や社名が公開されることはないため、気軽に相談できるでしょう。